■マーケットウィナーズ( 3/20 放送 )

テーマ: 最後のワンポイント(その1)憶えておきたい2つの指標
ゲスト :
岡崎良介(ITCインベストメント・パートナーズ(株)取締役)


岡崎氏

最終回に向けて、2回に分けてお話したいと思います。
と言うのは、この2つの指標、せっかくマーケットウィナーズをここまで見てもらったのでぜひ憶えておいてもらいたい。
これからのマーケットで大事だろうと言う事を2つ、最後に皆様に送り届けたいと思っています。



 

よく使う言葉、1つめは株価のボラティリティという言葉ですね。
もう1つは債券の信用リスク。
株価のボラティリィティというのは市場で取引されているオプションなんですね。
中身は何かというと価格変動リスク。
これを予想する、どんな風に動くだろうか、その取引されている保険料みたいなものですよね。
そのボラティリィティという言葉を憶えておいてください。
もう1つは債券の信用リスク。
発行体が倒産するかもしれないというリスクになるんですけれども、数字で言うと国債とのスプレッド。国債は倒産がありませんからね。
これを具体的にどういう風に見るのかというとこれもご紹介したと思います。



 

まず株価のボラティリィティというのは、なかなか一般の個人投資家が見る機会がないんですけれども、この番組でも何回も取り上げました。
アメリカのSP500という株価指数あるんですが、こちらのオプションボラティリィティというのがヤフーファイナンスで拾う事が出来ます。
これは恐怖指数として山田さんがよく使われる言葉ですけれども。
^VIXと入力すると見られます。
もう1つ、こちら債券の信用リスクの方なんですが、これはアメリカのFRBのホームページに行かなきゃいけませんのでちょっと大変なんですが、統計というところのヒストリカル・データからムーディーズのBBBの社債利回りと10年物国債利回りを引き算したもの、これで代用してもらえればわかります。
ちょっと難しいかと思いますが、ぜひ計算してもらいたいと思います。
さて、この2つの言葉を憶えてもらいたいんですが、ここまでどういう動きをしてきたのか。



 

株式のS&Pのボラティリティです。
株価が大きく下落する時には、決まってこのボラティリティが急上昇しています。
過去においても1998年のロシア危機とか、ITバブルの崩壊時とか、それから今回のリーマンショック。
これ月末値で60%位の所に止まっていますけども実際には85%位まで上がったんですね。
もう1つ、今回はこの株式ボラティリティに債券の信用リスクの動きを重ねて見てください。



 

実によく似た動きで、株式のボラティリティと債券の信用リスクがここまで動いてきたのがわかります。
とりわけこの動きは1998年以降、瓜二つの様な連動した動きになっています。



 

似た動きになっていますから、同じ物なのかと考えがちなんですが良く考えるとこの株式のボラティリティと債券のリスクは全然違うものです。
と言うのは、株式というのは本来、業績によって上がったり下がったりします。
ところが一方で債券というのは、債券の信用リスクというのは発行体が倒産するかどうかというわけです。
連動した動きになっているというのは、株価の変動リスクが株価を発行している企業が成長するか、はたまた倒産してしまうか。
あくまでデジタル的な動きになってしまった。



 

1998年、何が起こったのかというとロシア危機がありました。
それからヘッジファンドが成長してきました。投資銀行が隆盛しました。
色々ありましたが、私が1番大きな影響力を持った出来事がこれだと思います。
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の誕生。
AIG(エーアイジー)という保険会社を破綻の淵に追いやった、あるいはリーマンの倒産の原因を作った取引なんですが、様は信用リスクを売買するという形態の取引なんですね。



 

このCDSという物が誕生した結果、今までは別々の動きをしていた株と債券、とりわけ社債のマーケットですけれども、これの間の国境が無くなってしまった様に思います。
21世紀の金融市場の1つの形態になったと思います。
今まで金融の世界では国境が無くなったとはよく言われます。
アメリカの株を買う事、中国の株を買う事、あるいはブラジルの債券を買う事。
国境が無くなりましたよね。
その一方で、株と債券の間で今までは国境みたいなものがあったんですが無くなったしまった感じがあるんですね。
分散投資が非常にやりづらくなりましたね。
国境が無くなってきてイコールになってしまったら。
少なくとも社債というマーケットは、ほとんど株と同じ様な動きする様になってしまった。
となると考え方を変えねばなりません。
一緒になって動くというのであれば、一緒になって動く事を前提にして市場全体のリスクを測るための新しい指標がこれからの時代に必要になってきたと思います。という事で、最終回にこの話を持ってきたいと思います。