■マーケットウィナーズ( 2/20 放送 )

テーマ: 中国の米国債保有高削減の真意はどこに?
ゲスト :
岡崎良介氏(ITCインベストメント・パートナーズ(株)取締役)
岡崎氏:

今週は色々なニュースがたくさん出たので入りきらなかったんですが、こんなニュースがありました。
17日の水曜日に日本経済新聞で報じられました。
内容はアメリカの債券なんですが、日本の保有金額残高が中国を抜いて首位に返り咲いたという話です。
中国がこれまでアメリカの債券を大量に保有していたんですけれども、一部の関係者は、これは、中国がアメリカの債券を売り出したと見ています。
今、グーグルの問題などでケンカが取り沙汰されているんですけれども、「中国がアメリカに対して仕掛けてきた」という見方があるんですが、本当の意味はそうではないという話をしたいと思います。



 

有名な話ですが、中国は世界一の外貨準備を持っています。
その内の一部がアメリカ国債なんですけれども、まずはこの外貨準備のここまでの動きを見て下さい。



 

このグラフは2001年からの外貨準備、中国は今、2兆4千億ドル位になっていますね。ずっと増え続けています。
金融危機の後、一時的に輸出の落ち込みなどありましたが、向上的に増え続けています。
その中でアメリカの国債保有高はこんな感じです。



 

だいたい外国債券の3分の2くらいは、アメリカの国債であるとか、エージェンシー債、フレディマックとかファニーメイとか、こういったものを持っていると言われているんですが、たしかにアメリカの国債の保有残高は所々階段状に上がる所があるんですが最近少し下がってきているのかなという様なグラフになっています。
そこで今度は外貨準備に占めるアメリカの国債の割合、パーセンテージですね。
それをグラフにしてみます。



 

同じく2001年からの動きなんですが、だいたい40%位が上限で、逆に低い時は27〜28%位まで下がった事がありますから、最近売られたとはいえ、割合については歴史的に見るとそんなに低い割合になっているわけじゃありません。
ただ、この割合の動きをもう一つ、あるグラフと重ねてみると面白い事実に気が付きます。



    

今、水色の折れ線グラフが出てきましたが、これは中国の人民元のレートです。
丁度ドル円と同じように考えてもらえればいいんですが、下がっています。
この下がっていく過程において、中国の保有しているアメリカの債券の割合が減っていっているという事実が、お気づきになったかと思います。
裏を返すとアメリカの債券というのは、ある意味長期投資なので、売ったり買ったりしづらいものなんですね。
例えばドル安が始まる前にユーロに乗り換えるとか、円に乗り換えるとかするとドル安の損失を免れる事が出来ますよね。
色々な意味で自由度が高まるので、現金化しておこうという発想があってもおかしくないのですが、私はこのグラフからこういう結論を導きました。



    

人民元の元高に動く前に、この割合というのは過去においても減っているんですね。
さらには元高がずっと続いた2005年から2008年にかけてずっとアメリカの債券の割合を減らし続けたという経緯があります。
私は今回アメリカの米国債券の保有比率が、中国にとっての割合が落ちているというのはひとつのシグナルであって、ひょっとすると1年後位には、あるいはそれよりももっと早い時期かもしれませんが、人民元の切り上げが用意されているのではないか。
その準備として、アメリカの国債の保有残高の割合を減らし始めたのではないか。
そういう意味があるのではないかと思います。
政治的な思惑や圧力ではなくて、ちゃくちゃくと準備を進めているのが表面的に見えてきたということです。
そのシグナルといいますか、それがこの米国債権の保有残高ではないかなと思います。