■マーケットウィナーズ( 12/12 放送 )

テーマ: QUICKコンセンサス月次変化
ゲスト :
鈴木一之氏
(マーケットアナリスト)
鈴木氏: 毎月、週の頭に、前月分のアナリストの評価というものをこちらで好評するという形にさせていただいています。株式会社QUICKが、日本の証券会社が5社以上カバーしている企業の上方修正、下方修正を全て集計しています。
上方修正した会社から下方修正した会社の数を差し引いて指数化したもので見ていくという試みであります。
ただ、前回も申し上げましたように、企業と株価というのは似て非なるものですから、これはあくまで企業というものを見ていきたいと思いますね。


これは先月、11月分の日本の全産業のトータルの集計数字です。
まず、製造業は、こうして見ていきますと、勢いがはっきりと鈍ってきました。
11月は円高もありましたし、デフレ宣言もありましたので、非常に企業の収益環境は厳しくなってきました。非製造業は、水面下の動きが続いていたのですが、ここに来てジワジワと浮上して、ようやくプラスに転換しました。
非製造業のプラス転換は、QUICKコンセンサスの中では2007年1月以来のことです。
両者合わせた全産業というものははっきりと伸びが変わってきて、10月に比べて11月はほとんど伸びていない、上方修正の数がここまで少なくなっているということですね。


グラフで見るとこのようになります。
製造業は少し右肩下がり。非製造業はジワジワと上昇。トータルの全産業は完全に横ばいという動きが秋口以降ずっと続いているという状況です。


これを2つに分けて、まず製造業で見てみますと、前月比の変化、10月から11月の変化というのもはかなりバラツキがはっきり出てきました。 プラスの目立つところで見ていきますと、化学です。モメンタムが引き続き強い状態が続いています。
それからもう1つ、機械ですが、1度10月に落ち込んだ後、再び11月に浮上するという動きが目につきます。一方で電機、それから輸送用機器の自動車。
円高もありますので、高い伸びが続いていたのですが、ここに来て伸び率がダウンしています。
鉄鋼は逆に浮上が目立ちました。ずっと厳しい状況が続いていたのですが、ここにきて、マイナス幅が縮小して、変化幅としてはプラスが目立ちます。 


素材のグラフで見てみますと、やはり化学の伸びが目立ちますね。
化学はジワジワと上昇が続いています。
それから鉄鋼の浮上というのも鍵になりそうです。


それからもう1つ、製造業の加工組み立てでは、輸送用機器と電機が、少し頭打ち傾向が強くなってきましたが、機械の浮上ぶりというものが目に付くところであります。


今度は非製造業で見てみます。
こちらははっきりと目に付くのは不動産です。
不動産は比較的回復基調が強かったのが、11月に大きくマイナスに転換して−63と一番目立っていますね。
もう1つ、銀行ですが、株価はともかくアナリストベースの判断では浮上が続いていたところ、ここに来て落ち込んでしまいました。
11月は金融業界を取り巻く環境が大きく変わったという月でもありました。
後はジワジワと浮上するというところですね。


内需の個人向けで見てみると、その他金融は持ち返したのですが、ここに来てまたちょっと下向きの動きになっています。
小売はジワジワと浮上しています。


対事業所向けのサービスでは、これまで天下を取っていた卸売のペースダウンが目立っています。建設は水面下ではありますが、ジワジワと浮上してきて、 なんといっても不動産・銀行の落ち込みというものが急角度にマイナスに沈んでいるという状況であります。
こういう状況を見た上で、今月特に注目したいところはやはり、製造業の中の、モメンタムの強い化学、それから持ち直し気味の機械、この2つの業種から銘柄をいくつかピックアップしてみたいと思います。
まずは化学で日東電工です。液晶の部材で世界ナンバー1、それから水処理の逆浸透膜でも世界の高いシェアを取っています。
それから電気化学。リチウムイオン電池関連で、ここに来てまた評価され始めているようです。
さらには信越化学。動きは小さいのですが、半導体のシリコンウエハー世界最大手として週末大きく上昇しました。
さらに半導体フォトレジストのJSR。
半導体及び液晶の素材メーカーとして非常に高いシェアを持っている日本ゼオン。
そして今度は機械株ですが、まずはコマツです。週末は中国の工業生産が19%と高い伸びを発表しましてコマツ及び日立建機の株価が上昇しました。 続いてクボタ。農業機械関連では引き続きしっかりした動きを出しておりました。
そして酉島製作所。海水を淡水化にするポンプ、水処理装置のポンプでは世界ナンバー1シェアを持っています。
そして工作機械では、自動車業界全般浮上し始めていますので、工作機械のOSG。
それからCKD。これはリチウムイオン電池の製造装置を作っている会社で、株価がジワジワと浮上し始めています。
この辺りに注目していきたいと思います。