■マーケットウィナーズ( 11/28 放送 )

テーマ: 為替介入の可能性
ゲスト :
岡崎良介氏
(ITCインベストメント・パートナーズ(株)取締役)


岡崎氏: 為替そのものの動きを予想するのではなく、為替介入の可能性についてです。
2カ月前ぐらいに、今の為替市場の動きはドルの全面安であって、単純に円の独歩高というわけではない、したがって食い止めるのは難しいだろうと。
あるいはお隣の国、中国には強い人民元高を望んでいるのに、円だけが安くするというのはいかにも勝手だろうということで、難しいんじゃないかというお話をしましたが、今回考え方を変えました。まず最近の為替の動きをもう一度見てください。
92円からほぼ一本調子で円高が進んでいる最中です。
対ユーロでのドルの動きもユーロ高ドル安方向に一貫して動いています。
一方ユーロの方からは特にユーロ高を懸念する声はあまりはっきりとは聞こえてきません。もう1つ、対スイスフランのドルの動きですが、スイスは今年の春先から執拗にスイスフラン売り、ドル買い介入を重ねているんですね。これは他の通貨とは違った動きです。
さて、ここでもう一度ドル/円の月足の動きを見てください。
リーマンショックの前、120円ぐらいのところから、20円ぐらい一気に円高が進みます。その後、10円ばかりドルが戻って、ここからもう一度20円円高になって、また10円ほど戻って、そして今また、ここから15円ぐらい円高が進んでいます。
こういう動きを見ているものですから、関係者からいよいよ次は80円かなんていう声が多く聞こえるわけなんですね。
ここで、介入がなぜ行われないのかということと、介入がこれから行われるのかということについて少し分析を進めてみたいのですが、


ドル/円の長い動きです。昔148円なんていう時代があったんですけれども、こうやって見ると緩やかに円高が続いているのがお分かりいただけると思います。


さて、この間に2004年の前半ぐらいまでは、随分と介入が行われました。
その推移を財務省から1つ1つ拾ってきたものを棒グラフにしたんですが、これは月間の介入額です。右の方に軸があって10,000とか30,000とか書いてありますが、100億ドルとか300億ドルとか、かなり大きな規模です。
こういう介入が行われていたとされています。
問題はこの時期なんですが、「デフレ」というキーワードでこれを括ってみたいと思います。


かつて01年3月から06年の6月まで、日本の政府は、「デフレ宣言」というものを公式に発表していました。
この間、デフレ時代の前半の時期において、介入は執拗に行われていたんです。
ここに注目です。今回、日本政府はついにデフレを宣言しました。
そうなるとロジックといいますか、これまでの政策メカニズムがこんな風に変わってくるのではないかと思います。


日本国政府がデフレ宣言をしました。これは国内の人々へのメッセージ以上に、対諸外国へのメッセージが強くなります。
なぜならば、デフレはとにかく退治しよう。物価下落を食い止めよう。
これが日本政府の最優先課題であります。
これは世界各国、皆さん共に協調、理解してくれますよね、ということです。
しかし、デフレの現況はなにかというと円高であったりするわけです。
円高が輸入物価の下落を招きます。輸入物価の下落が物価全体の下落を引き起こします。
つまり円高を阻止することが日本にとって一番重要なデフレ対策であると、ここで認定されるわけです。こうなると為替介入が正当化されます。
デフレを食い止めるために日本はドル買い介入を行うのであると。
最終的には、これだけでは円高は食い止められないと思います。
20円動いて10円戻すというような局面がありましたよね。
あれと同じで、為替市場というのは一旦動き始めるとかなり大きな動きになります。
仮に介入を始めたら10円ぐらいの動きがあってもおかしくありません。
定着させるのは難しいと思いますが、本格的に日本政府が介入に踏み切ることになれば、85円から95円ぐらいまで戻る展開があってもおかしくないと思います。