■マーケットウィナーズ( 10/31 放送 )
テーマ:
閉じ込められた日本の金利
ゲスト :
岡崎良介氏
(ITCインベストメント・パートナーズ(株)取締役)
岡崎氏:
今回は、あまり取り上げたことがなかったのですが、特別に日本の金利についてです。
今ちょっと上がっていまして、市場関係者を冷や冷やさせているんですね。
なぜかと言うと、タイトルにもあるように、閉じ込められた日本の金利ということで、日本の金利というのは実は狭い範囲で10年以上閉じ込められているんですよ。
これが、この檻から出たらどうなるのかなというのが皆の不安なところなんですね。
ではその日本の金利の長い歴史を見てみましょう。
これは、政策金利。日本銀行が誘導する無担保コールレートは、92年の後半ぐらいは4%だったんですが、98年ぐらいからついに0%金利ですね。実質的にほとんどゼロになって、何回か上がるところあったんですが、95年ぐらいから見ると1%以下ですから、今の時代の人達っていうのはゼロ金利、1%以下の金利というのが環境だと思って間違いないと思います。そういう時代に我々は生きています。
その中で10年もの国債の利回りはこんな風に動いてきました。
それなりに4.5%の時代もあったのですが、98年に1%を切ってからは、もう2%が精一杯のところですね。
預金をしている人には迷惑な話なんですが、随分得をした人がいます。
借りる企業とか、住宅ローンを抱えている個人とか、その一番の総元締めが国ですね。
国は借金をしていることは誰でも知っているんですが、その借金の金利が今の1%、2%の金利ですから、非常に低い金利で、もう十数年の長きに渡って日本政府は借金をし続けることができたというわけですね。
2%のところと1%のところ、この檻から出れない日本の金利です。
ところが海外に目を向けると、アメリカと比べると日本の金利は随分違う動きに見えます。
アメリカの金利が6%の時代から、今回の金融危機で一気に2%の前半まで下がりました。
イギリスを見てみましょう。イギリスも同じような動きですね。
今回の金融危機で一気に低下。
ドイツはどうかというと、こちらは少し違う動きですが、概ね海外は似たような動きです。
この動きを表にまとめてみました。
過去10年間の月末の金利水準は、現状日本は1.4%。
アメリカが3.4%ぐらいなんですが、高いときで、日本は精一杯見て1.9%。
06年の9月ですね。一番低いときは03年の5月で0.5%。
平均すると、10年間120カ月で1.4%と今と同じです。
大体1.1〜1.7ぐらいのところで取引されています。
他の国は平均値が高いのと、それなりに標準偏差、つまりレンジも広いんですね。
それなりに動いてきたということです。
何が言いたいかというと、景気に対する安全弁の仕事、長期金利というのは、一番大事な仕事はこれなんですよ。景気が良いときには金利が上がり、景気が悪くなると下がらなくてはいけない。今回これだけ景気が悪くなったんですが、日本の金利はもう下がりません。ゼロが見えているのと、この1〜2という檻の中に閉じ込められてしまったために動きようがなかったんですね。
これが、今市場が一番不安定な、恐ろしくて誰も口に出さないところですね。
2%超えてきたら我が国は一体どうなるんだろう、皆心の中で怯えているんですけれども、誰も想像できていない、イメージしていない世界だと思います。