■マーケットウィナーズ( 7/18 放送 )

テーマ: シクリカルの動きから見た市況の変化
ゲスト :
鈴木一之氏
(マーケットアナリスト)
鈴木氏: 今週、日経平均は9日続落の後に4日続伸という非常にはっきりした動きになっておりました。しかし、続落の後の続伸の割にはマーケットは非常に気迷いムードが強いと思います。もちろん政治の動きがどうなるのか分からないというのが大前提にあるのですが、世界の景気そのものが、ちょっと前まで悪くて、今少し良くなりかけているという企業業績を見て、原点に戻って景気敏感株、シクリカルセクターの動きをもう一度見てみたいなと思いました。


まずは、日経平均と三菱マテリアルの動きを見てみたいと思います。これは、今年の1月以降の動きです。日経平均は6月12日に天井を打ちました。ところが、それに対して三菱マテリアルはちょっと早いのですが、6月8日に株価はピークをつけているんです。そしてボトムもそうなんですが、日経平均のボトムは3月10日、7,021円という非常に有名な数字から、大体3カ月かけて1万円まで到達したという形になります。
しかし、三菱マテリアルは1月23日にボトムをつけて、日経平均が安値を切り下げる課程でも比較的下値を切り上げるような景気敏感株、日経平均に対する先行性を少しずつ示していたという状況だったんです。それが今また少し先行して下がっている。ここに不安感が非常に強くあったわけだったんですね。この三菱マテリアルの裏側にあるものを見ておきたいと思います。


銅市況の動きですね。ロンドンの銅の値動きです。去年の8月からの動きです。リーマンショック以前の動きなんですが、直近1年間ぐらいの動きです。リーマンショックが始まって非常に厳しい下落を経た後に、12月30日、まさに年末ギリギリで底打ちしている。そしてずっと上昇してきて、4月17日、そして6月12日、日経平均のピークでとりあえず目先のピークを打ったという動きになっています。


そして銅の動きをもう少し縮めて、先ほどの三菱マテリアルの動きと同じような時間で見てみます。今年の1月以降の値動きです。12月30日に大底を打った後に切り上げるという動きが出てきているわけですが、6月12日に1回ピークを打ち、6月30日に2回目のピークを打ち、もたもたしているという状況です。
注目しておきたいのは2月20日にボトムを付けてから上昇に転じたわけですが、ここに先ほどの三菱マテリアルのグラフを重ねてみてください。銅の市況が上昇する過程で、日経平均や三菱マテリアルの動きというのは下向きの動きになっています。ここに食い違いが見られたのです。千鳥足の動きが起こって、これが最初の大きなひとつのチャンスだったわけなんですね。3月10日に日経平均は底打ちして、しかし、そこに行くよりも早い段階で景気そのものの動きは底打ちから反転に向かっていった状況でした。アメリカの自動車業界が大変厳しい状況にある。あるいは世界の金融情勢がまだまだドル不足で厳しいという状況で、いち早く景気の反転を捉えた銅市況の上昇というものが起こり始めていたんですね。
そして今、足元で、まさにこの2日間ぐらいの動きです。今週末に再び銅の上向きの動きが始まっているんですね。日経平均が9,000円を割れて8,500円まで行く、あるいは、政治の動き次第ではもっと下まで行くかもしれないという不安感の中で日経平均は4日続伸する。まだまだ疑心暗鬼の状況は強いわけですが、もし足元で景気の動きがリアルに現れているのであれば銅市況の動きというものは決して無視できない動きを示していると感じられます。
景気敏感の世界ではこういう動きが始まっているんですが、景気中立型、景気鈍感型と言われている業種、エレクトロニクスで言うとたとえばソニーとかパナソニックというのはまだ収益の改善は見えてこない状況ですね。株価も鈍いと言わざるを得ないですね。


そして半導体の動きも見ておきたいのですが、これも足元しっかりし始めているんですね。半導体というのは地面から掘り出してくる銅とか石油とは違いまして、工業製品ですので作れば作るほど値段が下がる。時間が経てば経つほど下がるものなんですが、ここに来て、今年の1月以降非常にしっかりした動きが出ています。
今後DRAM価格が上がるようだと、遅れてまず川上の半導体チップのメーカー。それから次第に完成品のソニー、パナソニック、シャープあたりの動きに繋がっていくかなというところだと思うんですよね。東京エレクトロンの株価のチャートはまだ少しそこら辺が反映されていないような動きにはなっていますが、今後動きに注目していきたいと思います。