■マーケットウィナーズ( 5/23 放送 )

テーマ: 09年3月期決算の総括
ゲスト :
山田勉氏
(カブドットコム証券(株)投資情報室長)
山田氏: 本当に今回の決算も厳しかったということですよね。
我々は収益悪化の半年、1年をまさに目撃してきたわけで、今回の決算を全部見ましたが、前期のひどいこと。
強烈に悪かったですよね。


  史上最速の悪化と書いてありますが、右の方、リーマンショック前、日経平均のEPSというのは828円あったわけです。たった8カ月でマイナスに落ち込んだわけですよ。     
前期の決算というのは日本企業全体として最終赤字だということになってしまったわけで、本当に未曾有の危機ですよね。足元、緑の線を見ていただきますと、マイナスまで落ち込んで足元228円。とりあえずV字反転したということですね。
前回03年のところはといいますと55円からリカバリーが始まって、4年、5年かけて959円まで日本企業の収益力というのは高まったわけですが、ほんの半年間でゼロになって、また1から出直しということですね。
前回の大躍進というのは、新興国も調子よよかったし、先進国もよかった。今回から始まるリカバリーというのは、先進国はダメなんです。そして新興国もそんなによくないということですから緩慢になるだろうというのは容易に想像つきますよね。ただし、収益回復への長い旅が始まったということになると思います。


  まさに日本経済の苦境はこちらだということですよね。ここでは緑の部分がメガバンク3行。青い部分が電機の9社。赤い部分が自動車の3社。この3つの最終損益を集計したものを前々期、前期、今期予想ということで並べております。
全部合わせてたった15社なんですが、前々期は合わせて5兆円稼いでいたところが、前期は4兆円の赤字ということで、9兆円悪化してしまったわけです。9兆円悪化すると他の企業じゃ埋めきれないわけですよね。ですから日本の企業全体として赤字。もちろん製造業全体としても赤字ということの 現況となっているわけです。
前期の部分、自動車が赤字、電機も赤字、メガバンクも赤字。今期はというとメガバンク3つだけが黒字浮上で自動車は若干赤字が拡大。電機は赤字が縮小ということなんですが、まさに自動車が大不振だ、電機が不振だということで、例えば自動車なんかですとボディーは鉄鋼ですし、窓はガラスですし、タイヤはゴムですし、内装はレザーとプラスチックですし、総合産業なんですよね。
ですから自動車の不振が他産業も全部巻き込んで日本経済の製造業部分をグシャっと押し込んだ。


  これはなんとかしないといけないということで採られた政策がエコカーへの減税補助、それからエコポイントということで何とか自動車と電機を盛り返させて日本経済をどうにかしようという景気対策がすでに始まっているということになりますね。
エコポイントを付与して家電製品の売れ行きも上がってきているし、プリウスとかインサイトも好調だということですから、改善の兆しはすでに見えていて多少期待も持てるということだと思います。


  今回の決算、なにか面白い銘柄ないかなと思って探してきました。 今期の営業利益が30億円以上で、この不景気にもかかわらず今期最高益更新の予想のあるものでポジティブサプライズリストです。
旧予想というのは日経会社情報の今期予想の数字。それに対して、今回の決算発表でどれぐらい上回ったのかでランキングしてあります。乖離率の大きい順に並べてあります。
いずれも最高益更新ですから、この不景気にもかかわらず業績が伸びているところ、ザっと見たところ特徴があるわけですよ。ホクトという会社は、いわゆるキノコですよね。
メガネトップはメガネ屋さん。王将フード、ケーズデンキ。節約ブームで業績を伸ばしているような会社がけっこう多くて、また、薬品が多いわけですが、東和薬品とか沢井薬品とか、いわゆる後発薬なんか作っているところも入っているということです。
例えばケーズデンキですね。エコポイント効果がこれからまさに出てくるということなんですが、株価は非常に美しく上がり続けているということですよね。
もう一つ、ユニチャームペットケア。ユニチャームの子会社でペット部門ですよね。この大暴落相場にもかかわらずほとんど下がってないんですよね。人々の暮らしも厳しくなっているんですが、ペットの暮らしは全然落ちてないんですね。


  続いて、営業利益が100億円以上で従来予想をどれぐらい上回ったかというリストです。こちらも日経会社情報の数字を今回の企業の決算発表がどれぐらい上回ったのかでランキングを作ってあります。
例えば、数字自体は大きくても、その数字が過去の企業の最高益より大きいのか小さいのかちゃんと見てからこのリストは使っていただきたいんですが、業績的に安心できそうなのが例えばNIPPO、旧日本鋪道ですね。道路舗装の会社です。こういう経済状況にありますから公共投資、道路という連想が働きますし、業績もそこそこ高水準をキープできているということになりますし、今期も2桁増益だということになります。
それからもう一つ、三洋電機ですね。環境関連ということで折りに触れて買われるわけですが、ソーラー、それからバッテリー、そういった技術を保有し、尚且つパナソニックのTOBも控えているということで、こういうリストから銘柄を探し出して調べてみるのもいいんじゃないかなという風に思います。
こうして見るとポジティブサプライズリストたくさんあるように思われますが、今回の悪化というのは予想以上に悪化しましたのでどう予想していいのかよく分からなかったということもありますので、絶対水準と最高益を是非とも見比べてみて、リカバリー度合いをチェックしていただきたいなという風に思います。