■マーケットウィナーズ( 3/28 放送 )

テーマ: 米国不良債権処理の切り札PPIPの仕組みとは?
ゲスト :
岡崎良介氏
(TAKMAキャピタル(株)運用担当取締役CIO))


岡崎氏: PPIPとは、パブリック・プライベート・インベストメント・プランですから、
政府と民間の投資の計画です。バッドバンクというほうが通りはいいんですけどね。
そのプライベートのところなんですが、これは最大5社まで入っていいことになってい
ます。この5社というのは新たにファンドを作ってこの不良債権を買い取るという
仕組みなんですね。すでにブラックロックとか、ピムコとか、投資信託の世界で有名な会社なんですが、すでに参加を表明しています。あと複数のヘッジファンドも参加を
検討中です。ファンドですから、連合軍で、チームを組んで入ってもいいですし、色々な形で参加が見込まれると思います。ただし条件が3つあります。自己資本として5億ドル以上集めること。それを出している会社が100億ドル以上の資産を保有していること。そして4月10日までに申請すること。この3つが条件です。



このABCDEという5社がどんなように振舞うかというと、まず入札をします。
銀行はこれに対して不良債権を買って下さいと、オークションにかけるわけですね。
5社が入りますから、やっぱり1番高いところに決まるわけで、そうすると儲けようと思う人は少しでも高く買ってくれるわけです。これは銀行にとってありがたいことですよね。もともと厳しい査定で値段を下げていた不良債権が1ドルでも2ドルでも高くなることは喜ばしいことです。
買い取りの仕組みが決まったんですが、ではどうやって儲けるのかというのを具体的な例でご紹介します。


全体の8割ぐらいを占める住宅ローン証券の例なんですが、仮に額面100ドルの証券を先ほどのファンドが84ドルで買ったとしましょう。そのとき84ドルのお金は、実は72ドルの融資と12ドルの出資という形になるんです。
要は頭金とローンみたいな関係です。72ドル、つまり全体の7分の6は政府がお金を貸してくれるというんですよ。そして残りの7分の1は自分たちで出資しなきゃいけないんですが、それもこの政府とファンドで折半してお金を出そうということですね。
頭金の半分でいいですよというわけです。7分の1ですが、実質的には、さっきのファンドは7分の1の半分ですから、14分の1になんるんですね。
6ドルというお金で84ドルの入札をするわけですね。
これで落札できて、さて、次はどうやって儲けるかというと。


84ドルでめでたく応札できたものが、さらに時代が変わって100ドルで償還できたとします。うまくいったらこの100ドルのお金が返ってくるんですが、そのうち先ほど見ました72ドルお金を借りていましたから政府へ返します。しかし72ドル返してもまだ28ドル残っていますよね。これが儲けになります。
28ドルの儲けなんですが、そのうち出資した分が12ドルありますから、差っ引き、
償還益としては16ドルということになりますね。
この28ドルも仲良く政府と先ほどのファンドで半分に分けましょうということです。
そうすると、先ほど6ドルで投資しましたから8ドル儲かりましたね。
パーセンテージにするとびっくりします。133%ですね。これがいわゆるレバレッジをかけて入札をして、レバレッジがひっくり返ってデレバレッジになって暴落したものを逆にレバレッジで買い戻そうという戦略なんですね。
今のは入り口でしたから、ちゃんと出口まで順調に経済が戻って順調にお金が返ってくるのかなんですね。整理するとリスクはここにあります。



不良債権がまだまだ増え続けてしまったら、せっかく用意したお金も全部使い切ってしまうかもしれませんし、何よりも不良債権が増加していく過程の中で債務不履行の問題が発生します。要するに自己破産続出であるとか、あるいは利息も払いませんとか、
こういった問題がどんどん出てくると、先ほどはハッピーケースとして84ドルのものが100ドルで返ってくるという話でしたけれども、この債務不履行の増加は何によって起こるかというとやはり景気の更なる悪化ですよね。どんどん失業者が増えてしまうとか、働いている会社が倒産してしまうとか、それを防ぐためにも景気対策が重要になってくるということになりますね。