■マーケットウィナーズ( 3/14 放送 )

テーマ: 最近の経済統計から見え始めた“兆し”
ゲスト :
鈴木一之氏
(マーケットアナリスト)
鈴木氏: 景気の現状を見極めるということを行いたいと思うんですが、今週ニューヨーク市場が大きく上昇しました。シティの1−2月黒字が出たという話から上昇しましたけれども、それと同時に2月の小売売上高が予想以上に良かった。
ひょっとしたら日本にも同じような動きがあるのではないかなと思いまして、持ってきたのが直近の経済統計の発表です。



私はエコノミストではありませんので、景気がこれからどうなるという予想をしようと思ってこういうのを作ったわけではないんですね。
今の景気はどうであるか、景気の現状を見る、ということを行ってみたいのですが、今週は、10−12月のGDP改定値が出ました。−12.7が−12.1にわずかに上方修正されたことが相当好感されるという動きになっています。
上の2つは四半期ごとの数字です。法人企業統計は経常利益です。大きく減っています。
後は月次ベースの数字で、3月の上旬ですのでそろそろ2月分のデータが出始めているという状況です。注目されたのはやはり2月の景気ウォッチャー調査が2カ月連続で上向きの数字を出しました。あるいは工作機械は相変わらず悪いというような動きですが、これを少しずつ追いかけてみたいと思います。



まずは景気ウォッチャー調査ですね。2カ月連続でプラスを記録しました。
景気ウォッチャー調査は、2000年から統計が開始されました。
当時の堺屋太一経済企画庁長官があみ出したアイデアなんですが、全国2,000人の人にヒアリング調査して経済統計を取るというものです。「良い」と答えた人から「悪い」と答えた人を引き算するというものです。
今2カ月連続で景気ウォッチャー調査がプラスとなっている背景は、「悪い」と答えている人が減ってきているという状況なんですね。先々これよりももっと悪くなると思う人が減ってきているんですね。私が思うにその理由は、1つは定額給付金、これは非常に大きいと思います。2つ目は円高、海外旅行に行きやすくなってゴールデンウィークの海外旅行の予約も非常に好調だということです。そして3つ目がなんといっても物価が去年の夏ごろに比べて大きく低下しているということだと思うんです。
不景気の裏返しでもあるんですが、物価の下落は、ある意味では私たちの庶民生活に非常に明るいものを投げ与えているのではないかなと思いますね。
2003年4月、バブル崩壊後の当時の安値を付けた時も、景気ウォッチャー調査は上向きだったんですが、株価だけは下向きだったという状況ですね。
これが上向きになったから株価がすぐにボトム入れするかというと、そうじゃないかもしれませんけれども、前例がありますので期待したいと思います。



次は工作機械受注です。2月の数字は−83.9%でした。
しかし悪いことは悪いんです。前年同月比、去年の2月と比べて5分の1ぐらいになってしまっているんです。しかし1月は−84.1%でしたので、まだこれよりは少し良かったんです。前月比で見ると少し浮上していますので、どこかで1回底打ちしたのではないかという状況であります。
ただ、前年3月の水準が高いので、来月発表分はちょっと怖い数字が予想されるかもしれないですが、その後は少しずつ明るくなってくるといいなと思いますね。



そしてもう1つ、これが一番肝心なのですが、景気先行指数、景気一致指数共に、滝壺に落ち込むような、大変な急落を示しているところであります。
よく見ていただきますと、景気一致指数というのは、ほぼ確実に景気の山谷をピタピタ当てているような動きなんですね。それに対して景気先行指数というのは、先行と言われているぐらいですからやっぱり少しずつ先行しています。
株価は景気に先行しますので、したがって景気先行指数がどこで上向きになるか、これが株高、景気の底入れ反転の、最初の一番大きな関門ではないなかと思うわけです。



そこで、景気動向指数、その先行指数の内訳というものをこちらに持ってきました。
非常に細かいのですが、景気先行指数というのは12の項目で構成されているんですね。
今回発表分は1月なんですが、どれだけ景気先行指数に影響を与えたか、12月はどれもこれも真っ赤でひどい。ところがひと月明けた1月は、少しずつ明るさが増している数字が増えているように思うんです。例えば上向きの△はちょっと改善を示したものですが、例えば消費者態度指数がそうですし、長短金利差がそうです。そして何といっても東証株価指数TOPIXが12月よりも1月の方が明るくなりました。
今悪いのは上の方にある下向きの▼が2つ付いているものです。
鉱工業生産指数の在庫率とか、あるいは求人、それから住宅着工、この辺りが悪いんですね。今回に関して言えば、上の方に固まっている悪いところがどこで上向きに改善してくるか、底入れするかが景気先行指数の底入れ反転に繋がるものと期待したいなと思います。
木曜日までで作りましたので機械受注はまだ入っていないんですが、少し上向いてきています。
早くも株価の上で動きは出ているのは、日本精工、ベアリングの会社ですね。
工作機械、あるいは自動車向けのベアリングが非常に落ち込んでいたんですが、少しずつ株価は反転してきています。
もう1つ、ベアリングのジェイテクト、昔の光洋精工ですが、日経平均7,000円の攻防の中では比較的しっかりした動きを出し始めているようにも見えます。