■マーケットウィナーズ( 2/28 放送 )

テーマ: 日本の公的資金運用
ゲスト :
岡崎良介氏
(TAKMAキャピタル(株)運用担当取締役CIO)
岡崎氏: 公的資金を使って株式を買い支えるというニュース。
この中でもっぱら20兆円という大きな数字が目について、あとETFを使うとか、いろいろあるんですけど、私は、実はこのスキームにはあまり興味はないんですよ。
おそらく実現するのには時間がかかって難しいんじゃないかなと思っていて、それよりも同じ日の新聞に書かれていた過去の株価対策に目が留まりました。40年不況から、バブル経済崩壊後の、その中で郵貯・簡保を通じた、事実上の株式買い支えがバブルの崩壊後にあったという記事です。この手があったなと思ったのは、日本には公的資金というのが随分たくさんあるんですね。
簡単に日本の公的資金がどれぐらいあるのかというのをお見せします。



そもそも公的資金には2つ形態があって、公的年金と言われているもの、厚生年金であるGPIF、これは大きいです、120兆円ぐらいありますね。これがもうすでに日本株を昨年の3月末の時点で13兆7,000億円持ってますね。
後は公的な年金としては地方公務員の方々の年金、共済組合ですね。こちらも日本株を3兆円近く持ってます。それから国家公務員の方々、これはあまり持っていなくて4500億円、5%ぐらいしか持っていませんね。
それと同時に郵政グループですね。ゆうちょ銀行とかんぽ生命、これは公的資金です。
ところがこの郵貯と簡保というのは昔株価対策で大きな役割を果たしたと新聞には書いてありましたが、現在はあんまり持っていないんです。3,000億円とか1兆8,000億円ぐらいなんですね。総額460兆円ぐらいありますから、1%動くだけで5兆円ぐらい動くわけですから、公的資金を使うのも一つの手だろうなと思います。
そこで郵貯と簡保が動くとしたらどういう風に動くのか、どういう仕組みなのかを説明しましょう。



かつて行われた郵貯・簡保の株式の買い支えというのは間接的なスタイルです。
まず信託銀行に金銭信託というものを開設します。
口座を作るんですね。そこにお金をどんどん振り込んでいって、信託銀行が郵貯・簡保の代わりに株式を買い支えたというのが過去の例です。
統計にも残されています。日本郵政グループの過去のディスクロージャーから数字を拾っていくとこんな画ができました。



まず見ていただきたいのは郵貯、現在のゆうちょ銀行ですけれども、過去の04年3月末以降の金銭信託の推移です。
昔はこの金銭信託で3兆8,000億円ぐらいお金が用意されていてその内2兆8,000億円ぐらい日本株を買っていたんですね。
ところがこれがどんどん残高を減らしていってます。



理由はこれですね。民営化されたんですね。方針が変わったということです。
日本株のウェイトを減らすように仕向けたというか、支持があったのかもしれませんね。
その結果、現在ゆうちょ銀行は極めて少ない日本株のウェイトになっています。



一方で簡保の方を見てみましょう。昔は簡易保険事業団と言っていました。
こちらは郵貯よりもさらに大きくて金銭信託が12兆円近くあったんですね。
半分ぐらい、約5兆5,000億円ぐらい日本株を持っていましたが、こちらもどんどん残高を減らしていってます。



民営化によって現在の形になっています。
見方によっては随分いいところで日本株売ったんだなという風にも見えるんですよ。
これだけウェイトを減らして、安くなったわけじゃないですか、投資価値が出てきたわけですから、難しい株式買取機構を動かす前に、まずは郵貯・簡保といったスキームを使って株式を買い支えるという手があるのかなと思います。さらにこの手の方が簡単に動かせるんじゃないかなという、そんな風な印象を持ったというニュースです。
投資主体別売買動向で信託銀行がちょっと異常に大きな数字で買い越しになった場合は郵貯・簡保が動いた可能性は高いと思います。