■マーケットウィナーズ( 2/7 放送 )
テーマ:
景気後退と在庫の関係、そして最悪の鉱工業生産指数の
中から発見された、好調銘柄「静止電気機械」
ゲスト :
岡崎良介氏
(TAKMAキャピタル(株)運用担当取締役CIO)
鈴木一之氏
(マーケットアナリスト)
矢嶋康次氏
(ニッセイ基礎研究所 経済調査部門 主任研究員)
鈴木氏:
先週は日本の経済状況、日本の景気の動きということに関して非常に重要なニュースが多かったように思うんです。1つは内閣府が景気のピークを2007年10月と認定した。そしてもう1つは12月の鉱工業生産指数が発表になった。この辺りから景気の現状を改めて見てみたいと思います。
まずその鉱工業生産指数ですが、現在描いているのは、「作りました」というのが生産で、「売れました」というのが出荷です。そして「売れませんでした」というのが在庫というものですが、生産はマイナス9%を超える過去最大の下落幅でした。
出荷も同じように大きく下落しています。これは指数そのものを描いていますが、問題なのは在庫率、要は割り算で示される在庫水準を出荷で割り算したものですね。
これが記録的な上昇、前月比プラス6.5%も上がってしまって、これで在庫が増えてしまって大変だという話になっているわけですね。景気循環は在庫の伸びでもたらされるという見方もあるぐらいで、これが一般的な見方のようなんですが、少し違う角度から見ると違った風景が見えると思うんですね。
これは同じ鉱工業生産指数の前月比の伸び率を見たものです。
在庫と出荷は前年同月比で何%伸びているか、バランスというのはここでは「出荷−在庫バランス」と銘打っていますが、出荷の伸び率から在庫の伸び率を引き算したものです。
先ほどの在庫率は割り算でしたが、こちらは引き算で示したものです。
そしてよく言われるシクリカル、景気循環というのは「出荷−在庫バランス」に沿って動くのが出荷と在庫、景気そのものの動きという私の中での認識なんですね。
これで見ると、「出荷−在庫バランス」は大きく下落している状況ではありますが、在庫水準そのものは、例えば景気が最も良かったとされる2006年ぐらいの水準の伸び率にようやく来たぐらいなんですね。要は在庫がほとんど積みあがっていない、前年対比のみで見ると全然増えていないという状況のまま今景気の後退が起きているという動きです。
もう少し各論に入っていきますが、今度は鉄鋼業だけを切り取ってみております。 同じように見ていきますと、「出荷−在庫バランス」はここにきて急激に落ち込んでいることになります。しかし、在庫というものは、景気が最も強かった2006年水準からみてかなり低い位置にいる。ほとんど在庫を抱えないまま今の激しい景気の後退、出荷や生産の落ち込みというものが起きている。
軽い経済のまま今落ちているという状況ではないかと思います。
そしてもう1つ、電子部品・デバイスでありますが、確かにこれで見ると在庫の伸び率はちょっと増えています。
しかし、これもかつての、今回の景気拡大のピーク水準ぐらいまで今伸びたところで激しい生産、出荷の落ち込みが見られます。その結果「出荷−在庫バランス」は今落ちてしまっているという状況です。
私なりの結論を申し上げると、非常に身軽なまま景気の後退が起こっているので、なんらかのきっかけで、身軽なままですから、非常にはっきりと劇的に生産や出荷というものはひょっとしたら回復するんじゃないかなというのが現状の私の見方なんですね。
岡崎氏:
注文がくれば在庫ははけていきますから。ただ、それよりももう1つ、確かに在庫は、石油危機などは、55ポイントぐらい上がったと思います。それに比べると今37ポイントぐらいですからそんなには大きく上がっていないんですが、それ以上に急激に生産が減少しているということです。それだけ注文が落ちているというわけですよね。
矢嶋氏:
生産というのは何に一番連動しているのかというと輸出なんですよ。 輸出が早く戻れば、在庫は身軽なので、生産が結構すぐ戻るというストーリーを描けると思うんですよ。これはまさに外需主導のパターンだと思うんですが、もしこれがないとすると生産の落ち込みに対して対応する方法というのがこれからどんどん設備の廃棄の方にいってしまうと思うんですね。そうすると生産の能力を落とすことになりますから、何かの拍子で需要がついたときに生産しようにも作る工場がない、ラインがないという状況になってしまうので、輸出の環境が早く戻るか、ここからもう一段悪くなるのか、それによってだいぶシナリオが変わってくると思うんですよね。
今企業は生産調整から雇用に入ってますから、この先行くとすると設備の方になっていくと思いますね。
岡崎氏:
今回の鉱工業生産指数11月12月は大変な数字ですから、これは調べなくてはいけないと思って、もともと私は天邪鬼ですから、ちょっと違う角度で見てみたんですけども、遮二無二なって何か違うものはないかと思って見つけたのがこの表です。
鈴木さんのお話がありました通り、日本中が出荷を減少させています。
在庫が増えています。
その中で、反対に生産が伸びている、出荷も伸びている、その一方で在庫が減っているという極めて順調な拡大をしている製品はないのかというのを調べてみたんです。
伸びているのはこういう一覧です。
プラスの数字をよく見てもらいたいのですが、生産、出荷、在庫という3点から見て、3つとも合格点を取れたのが3つの製品でした。 1つは農業用機械。生産の5番目にありますね。出荷は29%ですね。
とても農業用機械が売れていますね。
国内の農業、それと輸出でしょうね。
それともう1つは、静止電気機械というあまり見慣れないものが見つかりました。
日本電機工業会のデータを採ってきたんですが、静止電気機械とは、変圧器、電力変換装置。電子機器用のものを除いたコンデンサー。
リアクトルといった機械です。
要は、発電、蓄電、こういう機械なんですね。ちょっと興味湧きますよね。
太陽光発電、風力発電、こういった製品を求めているわけですよね。
そこで、この静止電気機械の生産と出荷のちょっと長いチャートをとってきました。
これは03年からの動きなんですが、順調に生産と出荷が拡大しています。
こうなると、やはり株式市場のインパクトですね。
では、この電機工業会の中で、この分類に登録されている静止電気機械メーカーはどんなところがあるのかというのを調べると、こういう顔ぶれでした。
もちろんこれ以外にも総合電気メーカーとか、上場されていない会社もあるんですが、専門的に生産しているメーカーを20社ほど集めました。 この番組でもよく採り上げているものが見つかりますよね。
例えば先週山田さんが採り上げたGSユアサなんていうのもありましたよね。
鈴木氏:
2番目の安川電機。半導体の設備投資ではロボット、自動車メーカーにも大量に導入しているというメーカーです。
あとは高岳製作がありますね。これは電力設備投資関連ではありますが、株価の上でも非常に堅調さを保っています。
もう1つは大崎電気。これも電力メーター系ですが、省電力、省エネのシステムを手がけていまして、まさに太陽光発電、あるいは風力発電、これに絡んできますね。
リストにはありませんでしたが井関農機が株価の上では高い位置にいて、やはりそういう背景がきっちりあるんですね。