■マーケットウィナーズ( 1/17 放送 )
テーマ:
勝間和代の 脱!トホホ投資家への道 VOL.3
ゲスト :
勝間和代氏
(公認会計士・経済評論家)
勝間氏:
先月、トホホ投資家がなぜ高値づかみをしてしまうかという理由としまして、株を買うタイミングを個人はチャートで計ってしまって、逆にプロは企業価値で計るからという説明をしたと思います。
では、負け組はなぜ、チャートで計って失敗してしまって、企業価値というのをプロはどうやって計って何を考えているのかということで1つキーワードとして、“バリュエーション”という言葉を覚えていただきたいんですね。
これは日本語にしますと、企業価値評価ということです。すなわち、これから、ある企業の株価を計算するときに、株価を計算する前に、企業の価値の絶対額として、もし私がものすごい大金持ちで企業を買うとしたら、1兆円なのか、5,000億円なのか、100億円なのか、という計算をするのがこのバリュエーションです。
5年後、10年後の各社の業績を計算するんですよ。予測をしまして、大体その企業が属している業態はこれぐらい市場が伸びるだろうと、この会社はこれぐらいのシェアを持っているので売り上げがこれぐらいになる、それに対して原材料費がどれぐらい掛かって、設備投資がどれぐらい必要で、広告宣伝費がいくら掛かって、人件費がいくら掛かるというのを計算していくんですね。
来年、再来年、その先の利益が大体分かりますし、利益が分かって設備投資が分かればキャッシュフローが分かるんですよ。毎年、1年後は何億円、2年後は何億円、3年後は何億円と、キャッシュの見込みが立ちますので、今度これをディスカウントと呼ぶんですが、1年後の1億円と5年後の1億円は価値が違いますので、1年後の1億円はちょっとだけ、5年後の1億円はたくさん減らして、手前に持ってきたときに、今の企業がトータルで何億円あったら私はこの企業を買えるのかなというのを計算するんです。
永久価値と言いまして、この企業が永遠に存在するとすればという前提を置くんですけれども、手前の方は概ね5年〜10年のキャッシュフローを弾きます。
バリュエーションというのはDCF法だけではなくて、例えばPBR法、PER法と色々あるんですが、プロが主に使うのがDCF法だということです。
割引現在価値ですね。
ここからようやく株価が計算できるんですよ。株価というと、どうしても私たちは、個人投資家さんですと、チャートを見て、今が1,000円のものが1,200円になるのか800円になるのかということを見がちなのですが、そうではなく、チャートも一切関係なく、この会社の株は企業価値から計算すると幾らが妥当株価なのかということを弾くんですね。
まず、企業の絶対価値が、例えば2,000億円と出たとします。
2,000億円と出たとしても、一番最初にその企業を仮に今現在売ったとした場合に、最初にお金をもらうのは株主じゃないんですよ。債権者と言いまして、お金を貸してくれている人たちなんですね。銀行とか社債の人たちが先にそのお金を持っていくので、その分を引いてあげないといけないんです。引いた残りを株数で割ったときに初めて株主が、一株当たりこの企業に対して幾らの価値があるというのが分かるんですね。
それが妥当株価です。
例えば妥当株価を私が800円と弾きました。市場では500円で売られています。
どうしたらいいでしょうか、買えばいいんですね。逆に800円と弾いた株が市場で1,600円で売られている、そういうときは空売りをかけるか、あるいは無視するということになるわけです。
例えば三洋電機のチャートなんですけれども、2007年11月から2008年1月31日までの日足をだしています。このときに三洋電機の株価を妥当株価、先ほどのキャッシュフローで計算をすると、35円ぐらいの価値だったんですね。
ところが三洋電機というとやはり昔は大きな会社で、非常に利益もたくさん出していたところなのでなんとなく35円だと安すぎる、逆に100円、200円でも個人にとってはお買い得のように感じてしまうわけですね。しかもどこかの会社がもしかしたら買収しに来るかもしれないということも踏まえて、個人が買い上げてしまうわけですよ。
そうすると何が起きるかといいますと、プロが待ってましたとばかりに自分たちが持っている株を売りに行くわけです。ですからピンクのエリアで個人が買ってしまうと、その下にある紫のエリアでプロが売りにいくということになります。持っている人は当然やれやれと言って売りますし、持っていない人もこれは割高だから将来こちらに収斂するに違いないと言って売るということです。すなわち、バリュエーションに対して割高な株というのは下げやすく、割安な株は上げやすいということになります。
ある程度業績が安定して、市場が読みやすいところというのがDCF法が向いていまして、逆に市況性の製品なんて分からないんですね。それでもある程度の過程をして計算します。
例えば鉄道ですとか、あるいはテレコムみたいなところは非常に計算がしやすいですね。
個人投資家もやろうと思えば自分で計算できますが、分厚い本を2,3冊読んでいただいて、エクセルを勉強して、それぞれの業界を勉強してということでかなり道が長いです。
ですので、本当に株価だけを知りたいというのであれば2つお勧めの方法があります。
1つは、株価算定サービスというのが有料でも無料でもネットにありますので、こちらの方を使ってしまおうということです。そうしますと、ディスカウントキャッシュフロー表、その他を使った、大体これくらいというのが計算して出てきます。
2つ目の方法がよりお勧めの方法としまして、アナリストは妥当株価を基に目標株価というのを計算しているんですけど、多少モメンタムがついたときに少し高めに設定するとか、例えば妥当株価5,000円なんだけど今の株価が2,000円だとすると、あまりにも離れているので、とりあえず目標株価としては3,500円を置くといった形で少し市場に合わせた調整は行います。アナリストレポートにはほとんど目標株価が書いてありますので、オンライン証券、その他で口座を持っている方でしたら、自分が買いたい銘柄についてアナリストレポートが公開されていた場合には、それを見ていただけると、プロが絶対価値としてその会社の株価が幾らかとみなしているという情報が分かるようになります。
バリュエーションを計るのにPERというのもありますが、PERというのは簡便法なんですよ。先ほどのDCFという方法は、5年後、10年後、20年後を全部引き戻してきているんですね。
ところがPERというのは現在の株価に対して今年の一株当たり利益、来年の一株当たりs利益が幾らかということで割っています。
成長株であれば、PER30倍でも安いものはありますし、バリュー株であればPER5倍でも高いものがあるということです。
岡崎氏:
妥当株価は、おそらくファンドマネージャーはみんな持っていると思います。
使い方はそれぞれだし、計算方法も若干違いますけれども、例えば妥当株価に比べて今の株価が安いから買おうと。
買おうと思ってから、ではいつ買うんだということで、ここで初めてチャートを見たりする。売るときも同じだと思います。