■マーケットウィナーズ( 11/8 放送 )

テーマ: アメリカ株の不安定な要因
ゲスト :
岡崎良介氏
(TAKMAキャピタル(株)運用担当取締役CIO)

岡崎氏: 連日のように、大暴騰したかと思ったら大暴落、これを繰り返して、歴代何位の記録なんていうのが新聞にしょっちゅう見られるようになったかと思うんですが、整理してみたいと思います。



歴代の、1日の前日比騰落率のワースト記録を調べてみました。NYダウです。
1番下がったのは1987年10月19日の有名なブラックマンデー。20%も下がりました。ほかにも随分下がったのはあるんですが、大体が戦前ですね。世界恐慌の時代です。8番目は10月26日、ブラックマンデーの1週間後なんですけども、次の9番目が08年10月15日の−7.87というやつですね。9番目と12番目と19番目にランクインされています。10月が多く目立つのは、アノマリーと言われているもの、10月にどうしても頻繁に起こっているというのが歴史的にうかがえます。
今回はアメリカのNYダウの前日比騰落率、過去20,113日に渡るデータを全部調べてみました。こういうヒストグラムが作られたので見てください。



これは、前日比何%上がりましたか、下がりましたか、というのを全部何回起きたかというのを見ているんですね。20,113日、1928年10月から今年の11月5日までなんですけど、NYダウというのは大体平均すると+0.02%。
前日比の1.15の±の範囲に収まっているんですが、中でもとんでもなく上がったり下がったりする日があるんです。両端です。これを表にしてみました。



〜−3%マイナスというのは3%以上下がった日ですね。
それが260回あったと。2%から1.9%というのはその間に収まったのが79とか、 そんな感じです。20,113日の前日比の騰落率を全部とったんですが、前日よりも 3%以上下がった日を暴落した日と考えて、この260回起きているのが、いったい どういうときに起きたのかというのを調べなおしたのが次の円グラフです。



大暴落、パニック売りが起きた260日はほとんどが世界恐慌期に発生しています。
あるいは戦争の混乱期ですね。世界恐慌の前にも6回ぐらいあります。
ただ、その後、石油危機があって、ブラックマンデーで11回ありますよね。
そしてITバブル。そして今回15回と、ちょっとずつ増えているんですよ。
平たく言うと、いろんな市場システムが不整備だったために、戦前はよく起きていたん です。戦後はうまくいっていたんですが、どうもブラックマンデー以降暴落というのがかえって頻繁に起きるようになってしまったという具合に、この表からはうかがえるわけなんですよ。
戦前は年金とかもありませんし、投信とかもありませんからね。当然ヘッジ売りとかの道具もありませんから、しょっちゅう暴落と暴騰を繰り返していたんです。
システムが整備されている現代ではなぜかというのは、
偉大な学者がこれから研究すると思うんですけど、吉崎さんはいかがですか?

吉崎氏:

やっぱりグローバル化でしょうね。
80年代から後が多くなっているということですよね。

岡崎氏:

プラス、やっぱりデリバティブが影響していると思うんですね。
もはや600兆ドルとか、人によっては1,000兆ドルとか想定元本が、 残高が言われているんですけれども、何がどうなっているのかよく分からないまま、 のたうち回っているような状況なんですね。
その結果今回のように世界中でストップロスがかかると、大暴落が連続的に起きてしまう という現象になってしまったのではないかと思います。
それともう1つ、20,113日のうちの260日暴落の日を細かく仕分けしていくと、 面白い結果が見つかりました。



曜日で分けてみました。260日を曜日ごとに分けると、パニック売りは圧倒的に月曜日 に発生しやすくなっています。
なんで月曜日に売りものが集中するのかと言いますと、ここはちょっと私の想像も加わっ ているんですが、アメリカの個人投資家、土曜日と日曜日に考えて、月曜日に解約の注文を出している。年金であるとか、401k、投信の解約。これが月曜日に集中する癖があるようです。その結果月曜日にパニック売りが出やすいのかなと、こういう風に思われます。さて、こういった分析を踏まえて、過去の、ブラックマンデーのときの暴落パターンをもう一度確認してみたいんですが・・・



ブラックマンデーのときはこんな風に動きました。最初10月6日ぐらいから始まってい るんですけれども、有名な10月19日の22%下落、月曜日ですよね。その1週間後を 見てください。26日月曜日。さらにその2週間後の月曜日。さらに3週間後の月曜日。
こんな風に連続的に月曜日のパニック売りが出ているんですね。これが一巡したところで大体下落が収まって、なおかつ、間隔というところ、パニックの売りものが、連続して2,3日の間に起きているんですけれども、だんだん間隔が広がっていますよね。暴落の間隔が広がっていくことで緩やかに相場が沈静化していったということです。
地震と余震みたいな感じでしょうかね。



それと、いよいよ今回の特徴なんですけども、ブラックマンデーよりも規模は大きいです。
実際これは2007年2月の、サブプライム問題が発覚してからのデータを取っているんですが、やはり大きな火の粉が上がったのが9月15日のリーマンブラザーズのショックですね。そして22日の月曜日。1週間後の月曜日。10月6日の月曜日。この辺りで月曜日のパニックは止まりましたね。しかし間隔は治まるどころか、むしろ連続化しているわけですね。ということは、売り手が、おそらく個人の解約売りだけじゃなく、こういう スウィング・トレーダー、1週間単位で売買を繰り返している人たちが、書き入れ時の水曜日に、マーケットが薄い中を、値動きのよい先物とかを使って活発な売買を繰り返しているんじゃないかなと、いう風に見てとれますね。
間隔がもう少し広がって、余震と余震の間の時間が経つようにならないと、人々は外に 出れないですよね。