■マーケットウィナーズ( 10/18 放送 )

テーマ: 金融危機で試される日本企業の適応力
ゲスト :
岡崎良介氏
(TAKMAキャピタル(株)運用担当取締役CIO)


岡崎氏:

麻生さん、鶴の一声でこういう2つのニュースがアナウンスされました。
1つ目が、1日の買い付け数量を、出来高全部買ってもいいですよと。今まではマーケットを壊しちゃいけません。自社株買だと言えども、薄商いの中買ってはいけませんという話だったんですが、もう関係ありませんと、全部あなたが買ってもいいですよと。
2つ目がとても大事なんですけれども、これまで取引所の終了30分前でやめなさい、引け値に関与してはいけません、というルールがあったんですよ。引け値ギリギリまで関与してしまうと、買い上げること、値段を吊り上げていく力ができるわけですね。
今回の緩和策というのは、言わば、投機的な売買めいた動きも、自社株買いでやってもよろしいと、株を上げましょうという、そういうメッセージにとれるわけなんですよ。



今のところどんな会社が自社株買いに乗り出しているかというと、東証のホームページと、各会社のホームページから拾ってきたんですけれども、大きいところでNTTドコモ。1,500億円の自社株買いの取得枠を常に申請して取っていると。
これから1,500億円買いますよと。2番目はオリエンタルランドです。
325億円。あと東日本銀行とか四国電力、新生銀行、右の方にいって9番目にH2Oなんですが、阪神・阪急百貨店ですね。こういったところ100億円相当の自社株買いの取得枠、これをすでに作っていると。いつでも買えますよという状態なんですよ。いつ買ったとか、どこで買うとかは自由なんですよ。先ほど規制が緩和されましたから、これからは下がったなと思ったらドーンといってもいいですよということなんです。この話なんですけども、実はとても深い意味があるんです。



日本の会社っていうのは今まで、内部留保ですね、蓄積があるんですね。資金が潤沢にもっていると。内部留保、余ったお金といいますか、儲けたお金、配当とかだして、そのあと蓄える。06年、07年も大体同じような数字ですけども、12兆円前後。
利益の剰余金もずっと増え続けているんですね。ようするに日本の企業はお金が有り余っていると。一方アメリカじゃお金がなくて困っていると、見事な明と暗なんですね。


こういう考え方が出来るんじゃないかと思うんですが。
欧米型の企業経営と日本型の企業経営。いい面も悪い面もあるんですけれども、ざっくり2つに分けると欧米型というのは、資金調達は市場依存型です。
CP発行、社債発行、こういったものですね。格付けが非常に大事ですよね。
次に、儲けたお金は全部使っちゃえと。株主に還元しよう。経営者は何億円ももらいましょうと。従業員もボーナスをたんと貰いなさいと。こういう感じですね。
いいことっていうのは、それだけ結果が反映されるとなるとみんなやる気が出ますよね。
積極的な事業展開が可能になると。しかし悪い点は、現在のような危機になるとちょっと厳しいですね。一方日本の企業というのは、まだまだ銀行に依存しているところがあります。それから今見た通り、儲けの一部は確実に内部留保として大体3分の1ぐらい蓄えておきますよね。その結果、危機に対する適応力があるんですね。
その代わり、それは一つ間違えると、せっかくのチャンスなのに使わなかったら機会損失を繰り返すことがあると。これが過去の歴史の中で、例えば石油危機のとき、このときは日本企業が成功しました。適応力を持って自動車産業はアメリカのビッグ3を駆逐しましたよね。でもバブルの崩壊の時は、早く損切りしなきゃいけないのに、なかなかできないまま今や日本の金融機関というのは外資系にどんどんとって代わられているという状況です。
今回はこういう提案をしてみたいと思います。
今回の金融危機ですね。日本の、特に金融業になると思うんですけれども、適応力に優れている日本企業はここで使わないと、ここで今まで蓄えたものを使わないといつ使うんだと。その一つが、色々なやり方があると思うんですけれども先ほどの自社株買いではないかなと。今こそ使うべきときではないかと思います。今週になってからドーンと取得枠の申請が増えていますし、特にキャッシュリッチな会社がチャンスありますからね。