■マーケットウィナーズ( 10/11 放送 )
テーマ:
地獄の蓋が開いたなら、地獄の底を見てみよう
ゲスト :
岡崎良介氏
(TAKMAキャピタル(株)運用担当取締役CIO)
岡崎氏:
これが世界大恐慌の頃のアメリカ株、1929年から33年のNYダウの動きなんですね。89%下落しました。いくつかの事件があったので、それを順を追って紹介しましょう。
まず最初、ご他聞にもれずこのときも景気後退から始まったんですね。
その後、大幅下落をして、金融の緩和と言いますか、貸し出しを増やしていったん戻ります。
戻るんですが、1930年代後半ぐらいからすごいデフレが世界中で広がりだしまして、そしてあとはドイツですね。国家社会主義が台頭したり、通貨の切り下げ競争。
それからアメリカでは銀行が一万行ぐらい倒産したりとか、大変なことになりました。
そして最終的に1933年。アメリカの銀行がすべて一斉に休業になりまして、ドルの切り下げを決定してようやく不況から脱出したと。こういうような地獄のような4年間だったんですね。
この間にどういう結果があったかと言うと、まず株価が89%下落した。
名目GDPが4年間で45%減少。所得が約半分になったということですね。
それから失業率が4年間で25%まで上昇しました。
物価は4年間で22%下落。
当時世界の経済は金本位制という通過制度をとっていたんですが、これは全員やめてしまいました。ただ、一つだけ良かったことは、この経験を生かしてアメリカは年金制度をつくったんです。1935年、社会保障法なんですけども、株価を支えて、高齢者の所得を安定させていくという。
こういう動きがあったのが世界大恐慌です。
さて、現代はどうかというと・・・
先ほどの1929年からのチャートと今回のチャートと重ねてみました。
昨年の10月から直近までの動きです。大恐慌のときと比べると、初期の波動はそんなに厳しくないんですよ。緩やかにサブプライム問題をきっかけとして、景気後退かなというところなんですけれども、ここにきて一挙にキャッチアップしているような展開ですね。理由はこれです。
9月、リーマンの破綻。ここから大きく金融恐慌のイメージが出来ました。
というのは、格付け市場が完全に崩壊しましたから、誰もお金を貸さない。
お互いに貸し合いっこしない。恐慌の発生を懸念した投資家達は、損失を限定させるための売却に急ぎました。特にファンドの解約ですね。先週から今週にかけて、これが東京市場でもよく見られました。
言わば金融市場の人々は、みんなで世界中が大恐慌の準備を始めていると。
いつ大恐慌が来てもいいように大慌てで、問答無用で株を売ってると。
こういう一週間ですね。
このときの教訓を生かして、色んな学者さん達が、なぜなったの
か、どうしたら防げるのかということを研究しました。今のFRB議長、バーナンキさんはこれの専門家です。
3つ、私はこれが答えじゃないかなと思います。
銀行は絶対に潰しちゃだめです。それから通貨の切り下げ競争は
やっちゃだめです。
そして何よりも対立をしちゃだめです。国家間の対立、議会との対立。
この3つだと思います。
今回の場合、投資銀行という特殊な業種が問題になっているんですが、そのナンバー1とナンバー2、ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーは、もう銀行業に看板を変えています。これからはFRBからいくらでも融資が受けられますから。ただし、ヨーロッパの方は国有化を勧める形でやっていますが、これで果たして世界中の銀行が全部救えるかどうかこれはまだ分からないですね。
これからの二次災害、三次災害が進んで、景気後退が広がった場
合、例えば人民元の切り下げがあるかもしれないとか、ブラジルレアルの切り下げがあるかもしれないとか、輸出国ですから。その代わりそうやって輸出が増えると今度は日本とか、アメリカが、デフレを輸入してくる。彼らがデフレを輸出することになりますから
ね。世界中でデフレが広がってしまいますね。