■マーケットウィナーズ( 10/4 放送 )

テーマ: あえて今、割安成長株を探してみる
ゲスト :
鈴木一之氏
(マーケットアナリスト)

鈴木氏: 解散価値を下回る会社、株価が続出しているというニュースが頻繁に出ています。
木曜日の時点でPBRが1倍を割り込む企業が東証1部の6割以上に達している。
1,000銘柄を超える企業が、PBRで1倍を割り込むという水準まで来ています。
資産内容から見て株価が割安かどうかを図る指標で、分母が1株あたりの純資産、分子が株価という計算式ですね。グラフで見ていただけますでしょうか。



月足の東証1部全銘柄の平均PBRをグラフ化したものですが、金曜日の段階で1. 2という水準を割り込みました。東証1部の平均値で割り込んできたわけです。
この水準というのはどういう数字かといいますと03年3月に東証1部全銘柄平均は1.22。あの日経平均が7,600円、8,000円を割り込むレベルにまで下がったにもかかわらず、当時のPBRというものは1.2を超えていたんですね。それが現在1.2を下回っているという状況まできてしまった。95年以降ですから過去13年の間で最低値を記録するという状況になってきているようです。
1,000銘柄もPBR1倍割れがありますと、この中から選ぼうと思ってもほとんど選べないのが私たちの常でありまして、では
もっと言えばPBRが低ければ低いだけ良いかというとこれもまた別問題で、0.3、0.4倍という企業はひょっとしたらそれなりに財務内容に問題があるのではないかと思わせるような企業も中にはあったりしまして、低すぎる銘柄も具合が悪いんですね。
スクリーニング条件ですが、『バフェットからの手紙』。この本の中に1つありますが、「私たちの目標はすばらしい企業を見つけ
て、それを相応の妥当な価格で買うことであり、月並みな会社を
バーゲン価格で買おうなどとは考えていません。」
ということなんですね。すばらしい企業を妥当な価格で買う。そこで大型株に限定して、PBR1倍割れ前後の銘柄を狙うという方法を考えてみました。



時価総額5,000億円以上の東証1部銘柄、かつPBRが0.85〜
1.2倍のゾーンに留まっている銘柄です。低すぎる銘柄は排除する。高すぎる銘柄は選ばれないという、すばらしい会社の妥当な値段というものを探してみようという観点から選んでみました。


まずは、PBRが1倍を割り込んでいる銘柄。先ほどの条件で選びますと、木曜日の株価を使いますと東証1部で50銘柄弱がピックアップされます。その中からまずはPBR0.85〜1.0倍の銘柄をずっと見たものです。
1位、住友電工が0.85。2位、大和ハウス0.86とずっときまして、ソニーもここに出てくるんですね。その中でピックアップしたいのはNTT、それから13番目の住友金属鉱山という銘柄ですね。
NTTです。今週一週間、日経平均が非常に厳しい下げにもかかわらずNTTは逆にじりじりと少しですが上昇し始めている。これはNTTの持っているディフェンシブ性。
そんなに大きく業績は変動しない、かつPBRが1倍を割り込んでいて配当利回りが2.2%という銘柄になってきているわけです
ね。もう一つ、住友金属鉱山。現在海外で盛んに鉱山開発を行っていて、ニッケルや銅というものを埋蔵量のたくさんあるものを掘り出そうとしている。地面に眠っている埋蔵物というのはまだ金銭換算されていないんですね。表面的な帳簿価格でPBRで0.9倍という水準に来ています。
向こう5年間ぐらいを考えるとNTTや住友金属鉱山、どこかで今よりも下がるかもしれませんが、どこかで3割、あるいは4割ぐらいは上昇するのではないかという投資スタンスですね。
向こう5年間見れば今の世界的な金融危機もどっかで解消しているだろうという観点なんですけどね。



今度はPBR1倍をちょっと超えるんですが、1.2倍ぐらいまでの間に収まっているブルーチップです。通常これらの銘柄はPBRが、大体ブランド価値がありますから、2倍とか、3倍、4倍ぐらいあってしかるべきだと思うんですね。それが現在の株安で、1. 2倍以下ぐらいまでに抑えこまれてしまっている銘柄です。
2番目のパナソニックですね。社名変更しましたが、これが現在PBRで1.01倍。
配当利回りが2.5%。株価が3年来の安値水準に売り叩かれているという状況であります。それからブリヂストンが第10位に出ていますが、PBR1.05倍。これまで比較的頑張っていたんですが、直近の一週間で株価はへこたれてしまいました。
まだそれでも安値更新には全然至っていません。ブリヂストンがこのような水準ですと、世界で3社ぐらいしかF1のカーレースでタイヤを供給できないような寡占状況にありまして、グッドイヤーとか、ミシュランとか、ひょっとしたらブリヂストンが1倍を割りこむようなことがあれば買収という観点で狙ってくるかもしれない。
それからもう一つ新日鉄。27位にあります。PBR1.18倍。5年前ぐらい、03年ごろ、新日鉄の株価は100円ぐらいでしたので、今回も振り出しに戻って100円ぐらいまで行くだろうという意見もあるんですが、当時の1株あたりの純資産は100円ちょっとなんですね。現在新日鉄の1株あたり純資産は300円を超えていますので、仮に新日鉄の株価が100円なんかいってしまったらPBR0.3倍。そうなってしまったらアルセロール・ミタルはもう黙っていないということになりますので、そんなに下がることは私はないのかなと思います。