■マーケットウィナーズ( 8/30 放送 )
テーマ:
株式市場の現状と軟調相場での投資戦略
ゲスト :
山田勉氏
(カブドットコム証券 マーケットアナリスト)
山田氏:
なんと言いましても、お盆があって、オリンピックがあって、それがゆえに マーケットの閑散が続いていると思っていたら、お盆もオリンピックも終わったのに一段と閑散になってしまった。これは証券業界にとって非常に厳しいことなんですよね。まずこちらの方からご覧ください。
今週本当に薄商いということだったんですが、この8月は1日平均の東証1部の売買代金が1.9兆円をちょっと割るぐらいだったんですが、この水準というのは、05年の8月以来なんですよね。株価の水準も05年の8月以来なんですが、株価も売買代金も05年の8月のところまで戻ってしまったんです。
05年の8月何がありましたか? 郵政解散ですよね。郵政解散で構造改革が進めば日本経済は強くなるから株価も上がる。そういうシナリオで株価が押し上がり、出来高も急増した局面、の前に戻ってまった。この3年間なんだったんだって話ですよね。ですからこの秋この状況を巻き返していかなければならないということにとりあえずはなるということですよね。
この秋といいますとやっぱりそれぞれに事情があるということで結構難しいんですよ。足元の相場が超閑散なわけもおそらくこの辺だろうということですよね。国内はと言いましたら政府が言うように景気後退局面に入ってしまいましたし、また新興デベロッパーの倒産が続いているということで信用不安も続いていると。それからアメリカはといいますと、住宅公社の問題含め金融不安、さらにビッグ3の信用不安ですよね。米国政府に対して低利融資5兆円も要請しているんですよ。それからその下、中国はといいますと、オリンピック終わった後の景気減速懸念。国際政治はといいましたら、新冷戦であり、アメリカの大統領選挙であり、国内政局であ
る。日本人からしますと、住宅公社の問題とか、とっとと公的資金入れてしまえよと思うんですが、やっぱり大統領選挙の11月4日ということ
で、動きにくいというのはあるみたいですね。ですから各国難問を抱えつつ投資家たちが冬支度をしてしまったという感じがした1週間だったということなんです。
インフレは原材料インフレであるが、製品はデフレなんで、日本の場合はインフレとデフレが共存している非常に妙な状態ということで、どんどん景気が落ち込む嫌なムードですよね。
この秋、何に注目すべきかといいますと、これはVIXと言いまして、シカゴオプション取引所のボラティリティインデックスなのでVIXと言うんですが、恐怖感が高まり株価が落ち込む局面でこの指数が跳ね上がるということで、過去の例、去年の秋からですが、赤線は日経平均、青線がVIXなんですが、VIXが跳ね上がる局面で日経平均はボトムを打つということなんですよね。
去年の8月、それから11月、1月、3月、今年の7月、いずれもそうなんですが、このVIXが30ポイント近くまで跳ね上がって株価は始めてボトムを打つということを繰り返してきているんですけれども、これのスパンが、例えば8月〜11月でしたら3カ月、その次は2カ月、その次は2カ月、その次は4カ月、平均するとだいたい3カ月おきに危機感が高まる。つまりアメリカの金融機関の決算発表の度に金融不安というのがこれまで起こってきた、じゃあこの秋のアメリカの金融機関の決算発表は?というところですよね。
2カ月後といいますと9月15日ですからアメリカの投資銀行の決算。10月の半ばといいますとアメリカの銀行の決算。それから11月といいますとフレディマック、ファニーメイ、AIGの決算発表。やっぱりそれぞれに身構えなくてはいけないんですね。
このややこしい局面での投資戦略ということで考えて見ました。
とりあえずまず考えられるのが超優良株を時間分散で仕込んでいくこと、好財務のキャッシュリッチなんかですと、自社株買いも出来るし、配当も増えるだろうし、M&Aも出来ると、その次、9月といいますと配当利回りとか優待株ですよね。例えば配当利回りなんか考えますとNTTなんかありますよね。
全体下げ相場の中下値切り上げ型で堅調であるということですよね。さらにその下を見てもらいますと、ややこしい中でも資金は行き場を求めますのでセーフハーバー、安全な港、嵐の局面でどんな安全な港に入るかといいますとここに書いてあるような食品、薬品、トイレタリー、医療機器、バイオ、勝ち組消費とか、通信IT、ゲーム、そういったところに資金が逃げ込んでいくわけですが、ここではセコムを見てみまょうか、凶悪事件がどんどん増えてくるということもありますので、こういった銘柄というのは動きがわってくる可能性があると思います。
一番下、乾坤一擲と書いてありますが、こういう脇を閉めなきゃいけない局面で企業が乾坤一擲の勝負をかける、例えば大投資を行う、M&Aをする、ドカッと設備投資をする。そういう会社を評価しようということです。
リコーを見ていただきますと、リコーはアメリカの販社を買ったということでキヤノンとの競争が厳しくなるんじゃないのという見方からキヤノン売りリコー買いみたいな投資行動が起きましたね。
結局この秋といいますと、ポイントは「窮地を脱するのはいつなのか?」 この秋か、あるいは新年か、というとこですね。
VIXがボトム打ちするのは秋だろうということもありますし、日本の中間決算がどうなるの?というところも見極めどころになると思いますね。