■マーケットウィナーズ(11/25放送)
テーマ:
  中間決算を総括する

出演者:
山田 勉(カブドットコム証券 マーケットアナリスト)
 
 

中間決算のピークに向けて弱含むとは申しましたが、ここまで落ちるとは思わなかったですよね。グラフに描きますとこのようになります。



ちょうど決算発表が多い棒グラフの辺りで毎年株価は弱含んでいるんです。
ピンクの線が過去5年の平均、緑の線が過去10年の平均の動きなんですが、今年も10月下旬くらいまでは上ぶれていたんですが、やっぱり捕まってゴニョゴニョしたところに吸い込まれていったというか、取り込まれていった動きです。そして今週さらにポテっと落ちたという感じですね。やや下げすぎかなということなんですが、その下げた悪役の一つとして業績の頭打ち感というのが言われだしたんですよ。
と言いますのも今回の決算発表、中間期の数字は非常に良いんです。だいたい日経さんの集計で15%増益、文句ないんです。ただ、通期の予想が5%増益。ということは下期3%減益になるか?
この辺りを外国人投資家は、若干真に受けた可能性があるというのが足元の下げだと思うんですね。実はこれは既に中間期ベースで15%増益で、通期5%増益っていうのは、「下期どれだけ固めに見積もってんねん」という数字なんですよね。こちらの表を見ていただきたいんですが、



期初予想が結果どうなったかというのを4年分出してありますが、例えば03年5月末に出た04年3月期の予想っていうのは期初15%予想だったのが決算締めてみたら26.8%増になった。そういう意味です。
今回、06年5月末に今期の予想は初め1.4%で出たんですよね。これがこの中間決算で5%増益まで実は上方修正されているんですよね。同じようなことを言いますと05年の5月末、前期ですね、前期の場合は期初1.9%増益だったのが中間決算時にやっぱり今と同じ5%増益になりました。第3四半期で7%増益になって決算締めてみたら13.7%だったと。すごい堅め堅めで上方修正を先送り先送りにするんですよね。と言いますのは、やっぱりネガティブサプライズを避けるため。やっぱり業績が当初の見込みを1割でも下回るとバサッと売られるんですよ。経営者というのはそれを非常に嫌いますので、とにかく堅め堅め堅めで上回る上回る上回る、というのが常識になってきましたね。これは短期投資の弊害だと思うんですけどね。
ということで、例えばこちらです。



通期で経常200億円以上で、当初の見込みを上方修正したものの修正率のランキングの大きいものから並べてあります。例えば電気硝子なんかですと期初見込み550億円予想だったものが、今回780億円に上方修正されたということですね。上ぶれ率が42%っていう意味です。正直と言いますか、通期の数字をきちんと上方修正してくれる会社というのは案外ないんですよ。ということはこの通期の数字だけ見てたのでは、この決算の魅力と言いますか、内容と言いますかほとんど見落としてしまうことになるということで、じゃあどうしたらいい?といいますと、やっぱり中間期で当初の見込みをどれだけ上ぶれたか、実績で見てみようではないかというのが次のフリップです。



中間期の当初見込みをこの実績でどれだけ上ぶれたかと。例えばエプソンですと30億円と言っていたのが中間期で209億円となって、修正率596%ということです。通期予想をどう変えたかっていうのも一番右側に並べてありますが、不変、不変と、通期予想変えないんですよね。中間は凄い上方修正しても、通期で変えてこない、中間期ベースでとっくに上ぶれしてる分すら通期の数字に乗せないというのが多いんですよね。
マーケット全体がマクロの数字で下期3%の減益というけったいなことになってしまっているんですね。この辺りかなり投資家をかく乱しているなという気がしますよね。



どの会社も当然第3四半期ないしは本決算での上方修正が期待される銘柄群ということですが、日揮とオムロン辺りを見てみますと、日揮なんかは中間期軽々と上回っているのに通期変えないんですよね。オムロンは最近のハイテク株好調の波に乗って基本的に高止まりしていますが、まだ上に出てくる可能性強いですもんね。ですからこの第3四半期発表が1月末から2月、それから本決算は来年の4月から5月になりますが、それに向けて上方修正がロールオーバーされているという風に是非考えていただきたいと思いますね。