中村氏:
今回は自社株買いということでお話します。
どうして今回取り上げようかと思ったかというと、最近企業が株主還元を積極化しているんですね。例えば2005年3月期の配当はどんな感じだったかというと、前期比25.8%増の3兆1,903億円、これだけの配当がなされたんです。そして2006年3月期も、実は前期比25.3%増の3兆9,581億円。ですから2期連続でかなり大きな額の配当がなされたということになっていますね。それと同等程度に、自社株買いも行われていて、2004年が3兆円。2005年が3.7兆円。非常に大きな額で行われているわけです。
株高の要因として、ポイントは2つありまして、1つはマーケットから買い上げることによる需給の改善ということが挙げられると思います。どうして需給が改善されるかといいますと、企業がマーケットから自社の株を買うことで需給が改善される。これが1点目です。
もう一つは資本効率が改善すること、もしくは1株当りの利益が改善するといいうことです。ROEとはどういうものかというと、当期純利益を株主資本で割ったものですね。もうひとつEPSとはどういうものかといいますと、当期利益を発行済み株式数で割ったもの。このどちらも分母ですね。自社株買いをやる事によって、株主資本であり、発行済み株式数、これが減ることによって数字が高まる。これら2つの数字は高ければ高いほど評価されやすいので、この数字が高まることによって株価が上がるというような効果があります。
具体的な例を2つ挙げてみますと、1つは武田薬品工業。5月11日に自社株買いの実施を発表しています。具体的には1,200万株、もしくは800億円、これを上限に自社株買いを実施するということですね。これは初の試みだったので非常に注目されたんですけども、これどういう結果になったかというと、自社株買い発表日終値から、TOPIXが4.8%下落したのに対して武田薬品工業の株価は7.6%上昇したんです。TOPIXをかなりアウトパフォームしているということが言えると思います。
もう一つの例では、アステラス製薬ですね。10月4日に自社株買いを発表しています。中期経営計画も同時に発表しまして、最終年度に営業利益2,800億円、そして株主資本配当率8%、ROE18%です。これを目指すというものだったんですけど、結果どうなったかというと、TOPIXが1.7%の上昇に対して同社の場合は実は10.2%上がったんです。中期経営計画が利益面で伸びが魅力的ではないというような見方から自社株買いがより材料視された格好というように考えられると思います。
自社株買いをするからといって必ず株は上昇するわけではありません。注意しなければいけないことが1つあります。その自社株買いを取得したものを消却したか否かというのを注意して見なきゃいけないと思うんですね。
消却をしないとですね、その会社が将来株価が上がったらですね、その価格で売り出すということもやってしまうかもしれませんし、もしくは自社株をもってM&Aを仕掛けるということに活用されるかもしれない。そうなると発行済み株式数も減りませんし、あとはROEも実は利益が高まらないと高まらない、というような形になりますので、消却があるかないかというのは十分チェックしなければいけないですね。
会社が必ず、この株を消却します。消却じゃなくて売り出します。そうじゃなくてM&Aに使います。ということをプレスリリースしてくれますので、ちゃんとチェックしておいた方がいいと思いますね。
自社株買いをしそうな企業を見つける3つのポイントがありまして
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