■マーケットウィナーズ(10/7放送)
テーマ:米国株の行方と日本の株式市場
ゲスト:
岡崎良介(フィスコアセットマネジメント CIO)
    鈴木一之(インフォストックスドットコム チーフアナリスト)
 
 

岡崎氏:アメリカの株は、日本の株式市場に大変大きな影響を持ちます。アメリカの株 式市場がこのまま上昇トレンドを持続して行くことになれば、日本の株価も株式市場も大変力強い動きになります。
ですので皆さんの非常に気になるところがこれからの動向ということで、今日お話しようと思うテーマはこちらです。


難しいテーマではあるんですけど 長いチャートを見てゆっくり考えてもらいたいんですが、まず一つ目のチャートは非常に長い、33年ぐらいにわたる長期の、アメリカのSP500の動きなんですが


先ほどもチラッとお見せしましたオイルショックのときにアメリカ株は50%も下げたんですけども、そこからITバブルまでの26年間、途中でブラックマンデーがあったり、色んな事件があったんですが、なんだかんだいっても上がり続けたんですよ。
その後また50%の下落をしたのがITバブルの崩壊だったんです。26年間、1本調子に見えますけども、よく見ると4つのトレンドに分かれています。
4つのトレンドに分かれて尚且つ今新しいトレンドが始まっているので過去30数年間の間に5回トレンドがあったと考えられます。


1つは、オイルショックからの立ち直りの時期です。それから2つ目はレーガン大統領が強いアメリカを表号して、最後ブラックマンデーで腰折れしてしまうんですけどね。これが2つ目。3つ目が冷戦の終結、アメリカの覇権体制の時代。最後4つ目がIT革命ですね。この4つの形に分かれて、最後5つ目が今のトレンドですね。
この今のトレンドと言うのは、まだアメリカの景気の減速懸念もあるんですけども、なんだかんだ言いながら結局金利も上がりましたし、それから経済の成長速度も3.3くらいあるんですよ。
ということでまとめてみると、5つのトレンドはこんな風に分かれます。


まず1つ目、74年10月〜80年11月まで、以下ずっと並んでるんですが、 注目してもらいたいのは期間です。大体5、6年の間、一つのトレンド、アメリカの株の上昇は大体5、6年続きます。
その後株価が倍になったり、3倍になったりしているんですけど、年の平均上昇率を見るとですね、15%〜27%くらいなんですね。この差は、何によって生まれるかと言うと、そのときの経済成長率。経済成長率が例えば、ブラックマンデーで終わった87年8月までの上昇のとき、アメリカの経済成長は4.3%の平均速度だったんですね。このときは株価の上昇もやっぱり強い、その代わり一気に上がってしまって5年で終わったと。 一気に上がると反目に終わるというのがあります。
今回、既に2002年の10月から株式の上昇トレンドが始まりましたから、もう4年経ちましたけど、今までのところ平均15%ぐらいの年率の上昇スピード、この間アメリカの経済は3.3%ぐらいの上昇率なんですね。
さて、以上のデータから、いろいろな角度から統計的に分析してみました。


アメリカの経済成長、それに合わせた株価の上昇なんですけれども、今の平均的な経済成長スピードが3.3%。少し減速して3%ぐらいに落ちるかもしれないんですけど、大体これが持続できたらあと2年、全体で6年ぐらいの大きなトレンドの相場になると思います。今2006年ですから、あと2年ぐらい続くんじゃないかなと思います。
既に今15%ぐらいのスピードで株価が上がっているんですけど、これでも割安なスピードなんですよ。やや遅いくらいなんです。    
それがあるので、私は最終的には、ちょっと思い切って書いてみたんですけど、2120ポイントまで、ここからさらに5〜6割上がる可能性があるのではないかと思いますね。 株式市場が息の長い上昇をするためにはゆっくり上がったほうがいいんですけどね。原油が下がりました。インフレ懸念が遠のいたことは非常にアメリカにとっては心強いです。逆に言うと、金利を下げる余地も出てきましたから、ここから先は経済政策はやりやすいですよ。

鈴木氏:岡崎さんが先ほど区分された4つのアメリカ株の上昇トレンド、それを日本のマーケットになぞらえてみると、当時何が買われたか、そこから、第5のトレンドで日本で何が買われるかを導いてみたいと思うんですね。日本とアメリカ波動が少し違うんですが、まず第1の、オイルショック後の上昇では全面高、ですからあんまり差は出ないんです。第2のトレンド、これは日本では、いわゆるバブル経済に突き進む過程ですからやはり全面高なんです。そしてその後87年ブラックマンデー以降もやはりバブルの頂点を極めるまで全面高で、90年以降は全面安の暴落を経験してしまった。唯一差があったのが第4のトレンド、先ほど見た94年から2000年にかけて、いわゆるITバブルに至る過程なんですが、その直前に二極化相場というのが起きているんですね。94年、95年、96年、97年くらいです。ここら辺で日本株はいわゆる二極化、勝ち組、負け組なんていう言葉が始めて定着した時期ですね。
あのときが、ひょっとしたらこれから、第5のトレンドで繰り返されるんじゃないかなという風に予測してみたんですね。


当時の日経平均を見ていただきたいんですが、前提として94年からITバブル に至るまでの、さらに1万円を割り込みにいくというものすごい下げに入ってい く過程なんですが、この過程で二極化相場がダーっと進んでいったわけなんです。
それを東証一部上場の全銘柄のチャートをもう一回全部見直してみて、買われた 銘柄、95年、96年、97年に買い進まれた銘柄がこの約40銘柄なんですね。


これはROEの順番で並べていますので、HOYA、東京エレクトロン、ニコン、アドバンテスト、キヤノンですね、現在上場来高値を更新中で、これが今の日本株のブルーチップ相場をリードしているところがありますが、ずーっときて、武田もそうですね。テルモなんかも95年相場では大変賑わいました。そしてまさに信越化学なんかもそうです。現在の相場をリードしています。 という銘柄群ですが、チャートを振り返っていただきたいんですね。
あの時どのような銘柄が買われたか、というものをもう一度見ていただきたいです。


これが武田です。日経平均と同じ期間なんですけど、94年以降の武田の相場が、まさに二極化相場の柱だった。
1,000円から5,000円に迫るまでの95年、96年、97年、98年、足掛け4年にわたって5倍波動近いものをガーっと出した。まさにこれが勝ち組相場の代表例ですね。


もう一つがテルモです。今現在上場来高値を抜いているんですが、前の上場来高値を付けに行く過程で、やはり同じく95年からの二極化相場、勝ち組相場でドーっと買われた、3倍波動を出すという過程で描かれた銘柄なんですね。 このような、ごく一部の、外国人投資家から見れば当時、セルジャパン、日本売りという状況です。不良債権問題がいよいよ本格化するという状況で、ほとんどの銘柄が含み損を抱えて売られるという過程にあって、唯一買われた銘柄がこちらに挙げたような選ばれた40銘柄というんでしょうかね、もう少しバリュエーションはあるんでしょうが、こういうものに非常に絞られていったということですね。


まとめてみるとこういう風になると思いますね。
アジア通貨危機に至るまでの勝ち組銘柄の特色は、なんと言ってもROE、自己資本利益率が非常に高い銘柄である。当時ROEという財務諸表というんですか、恥ずかしながら私はこのとき、95年ぐらいのときに初めて勉強したような覚えがあるんですね。このときに定着した指標であると思うんですけど、これと同時に国際的なブランド力がある。世界の勝ち組である。日本の企業であって日本の企業でないような側面が非常に強い。この2つの結果として、外国人持株比率が非常に高いという銘柄があの時買われていた。
スズキ自動車なんかも今上場来高値を更新していますが、まさにこの理由で買われていった側面があると思いますね。
ここには43銘柄挙げましたが、例えばキヤノンがまさにそうですね。それから武田。もちろん自動車4社、ホンダ、トヨタ、日産。それからデンソーは現在TOPIXのコア30に含まれています。それから信越化学ももちろん入っていますよね。あと松下、今電気でしたら松下、日立、ソニーがコア30に入ってきています。それから三菱地所ですね。現在のROEと現在の外国人持株比率を出していますので、当時とちょっと水準としては違うのかもしれませんが、傾向としてはこういう銘柄が相変わらずこれからもマーケットを引っ張っていくことになるのかなという風に思いますね。

岡崎氏:私はこう思うんですが、勝ち組・負け組と言いますけども、今は不良債権問題の処理は終わりましたからね。先導する、リードするのがこのグループであって、このグループが例えば1割上がれば、500兆の時価総額が1割上がれば50兆ぐらい含み益が出きるわけです。そうすると、小さい株の方は、このお金を利用すれば、もっと上がりますよね。最終的には時間のラグはあるでしょうけど、全面高になってくるような気がするんですけどね。

鈴木氏:要するに500兆円の含み益の50兆円部分で小さい銘柄が上がっていくということですよね。

岡崎氏:順番が今度はこのコアとなる、中心の一番大きなところがリードしていくとそういう力強い展開になるんじゃないかなと思いますね。だからこそアメリカ株が上がっていくんだと思いますけどね。