■マーケットウィナーズ(7/8放送)
テーマ:信用取引の買い残から見る相場
ゲスト:鈴木一之(インフォストックスドットコム チーフアナリスト)
 
信用取引の残高です。個別の信用取引の残高で、最近の傾向としては、東証1部銘柄なんですけど、売り残の増加が少しずつ目立っている業界、あるいは個別の銘柄がでてきているように思えるんですね。

 例えばJT、日本たばこ産業ですね、信用買い残と信用売り残、株価の値下がりが顕著になったゴールデンウィーク明け前後ぐらいからの推移を描いているんですが、例えば売り残、6月の頭に5,000株割り込んでいたところが今8,000株を越えている。6割ぐらい株数としては増えている。古河電工が例えば売り残が420万株辺りからずっと増えてきていて今は650万株近くまで増えている。ずっと下げ相場にありましたので、「先々まだ下がる」と見る個人投資家でしょうね。個人投資家の方々が信用取引でカラ売りを行っているという状況が少し出てきているんではないかなと思います。それが積みあがって現在のマーケットを構成している。株価のチャートでもそういう動きが少し出るんではないかなと思うんですけど、三菱地所、住友金属鉱山が顕著な例です。


 ゴールデンウィーク明けぐらいから周足ベースで株価を描いて、下げてる過程で信用残が少しずつ増えてきている。それから、株が反発する過程でまたさらに信用残が増えてきている。売り残ですね。こういう顕著な動きが東証1部の中で少しずつ目立ち始めているという状況です。


 買い残、売り残が拮抗しているので、2本の線グラフが描けるんですが、買い残は減少する過程、株価が下がっているので買い残で持っている人達が損切りを出している。戻ってくる過程で売っている。ところが戻ってくる過程でさらに信用の売り残が少しずつ増加するという傾向です。
さらに下がると思っている人が増えてるので、カラ売りが入ってきているという状況だったんですが。要するに、信用が、買い方にしても、売り方にしてもどんどん売っている。売ってるんだけれども株価が上がっている。こういう局面ですね。
 ですから、買い残が減るということは「売り」です。売り残が増えるというのも「売り」です。どちらも「売り」の要因が重なっているのに株価が上がるということは、信用でない部分、現物株の買いによる株価の上昇というのが現在起きていますね。それに対して、売りの要因が出ていて、それを打ち返すだけの現物の買いが入っているということになりますかね。拮抗してくると、どうしてもややボラタイルな、変動幅の大きい展開になるというのが過去の通例ですよね。今回の場合買っているのは誰かというのが疑問に残るんですけど、こういう動き方をするときっていうのは、大きな買い物を出せる外国人投資家か機関投資家、だいたいどっちかなんですよね。ただ、5月6月は外国人投資家はずっと売り越しましたから、おそらくこれは機関投資家がまとまった買いを入れている可能性が高いと思います。JTなんかも上がっていますから、可能性としては内需で大きくポートフォリオをシフトしている日本国内の機関投資家、その可能性が高いような印象を持ちます。