■マーケットウィナーズ(6/24放送)
テーマ:ブラックマンデーと世界同時株安
ゲスト:鈴木一之(インフォストックスドットコム チーフアナリスト)
 


【今回】
 岡崎氏:1987年当時のブラックマンデー、10月に起きたショック、23%ぐらい下がったんですね。その後順調に戻ってバブルを作っていったという軌跡です。 それに対して今回の動きなんですけど、世界同時株安が起きるまでは同じ様にずっと6割ぐらい上がって、その後18%ぐらい調整したと。さてここからどうなるかということなんですよね。
 鈴木氏:私は、今の日本のマーケットは景気後退、これを織り込みに掛かっているのかなっていう意識を少し持ち始めているんですね。


【景気ウォッチャー調査とTOPIX】
 ご覧頂きたいのは、トピックスの値動きと景気ウォッチャー調査という経済統計です。ピンクの線がTOPIX、青い線が景気ウォッチャー調査の月1回発表される数字です。1つは株価、1つは経済統計、それが凸凹までしっかり合わせるような動きでなぞられている。最近は今年の1月から下向きになって、4・5月と2カ月連続でまた下向きになっている。これが最近の株式市場の値動きになぞられてピッタリ当てはまるんではないかなという感じですね。
 今の景気というのは2002年1月を景気の谷として、ここから景気の回復が一貫して続いていると言われています。ところが細かく見ていくと、1回ダウンして、2004年の夏場、アテネオリンピックでデジタル家電が在庫を抱えてしまった。小さい山を2つも経験しているんですね。ひょっとしたら今、まだ景気全体は伸びるかもしれませんが、小さい山の3つ目をここで経験するかもしれない。というのをマーケットは少しずつ織り込み始めているのではないか。となると、2004年の夏場から年末にかけて起きたこの動きを形として見ていく、株価ではなく景気ウォッチャー調査の青い折れ線を見ていくと、まだ年後半に向けてしばらく下向きの動きが続くのではないかという意識が成り立つわけですよね。ここで示されいるのは2004年の後半ぐらいの動きになるかもしれないという前提で物事を見ていくという風に自分に言い聞かせているような段階でしかないのですが、ただ、これは半年とか3カ月ぐらいのリスク要因としてみているだけで、ごくごく短期的には私は株式市場戻るだろうと、ある程度上昇に転じるだろうと思います。それは、プラチナの値動きが起こっているからなんですね。


【東京白金 先物つなぎ足】
 商品市況が上昇すると株価は上昇する。商品市況が下落すると株価は下落する。というように単純に考えるんですが、これがごくごく最近の東京プラチナの先物の値動きです。ちょっと見づらいんですが、直近で、大きな陽線を立てている。これが6月20日火曜日です。全くなんの予兆も無く前場トロトロ動いていたプラチナの値動きが後場から急進してストップ高寸前までいきました。そして21日水曜日、22日木曜日までの値段しか入っていなんですが、金曜日はモタモタしてるという動きです。 このプラチナの値動きを見て、それからその次、NYの金が、現地火曜日です。


【NY 金 当限先物つなぎ足】
 東京のプラチナが火曜日に動いてからNYの金が動き始めて、そしてその次、今度は東京の金。


【東京 金 先物つなぎ足】
 これが動き始めて、6月22日木曜日、23日金曜日もしっかりという動きですね。ほとんど商品バブルと言われた、ほとんど行って来いの動きまでつけた金の動きなんですが、プラチナに戻っていただきますと、プラチナはここまで下がっていないんですね。 これは自動車業界が非常に触媒需要で、プラチナを実需として求めている為に、ちょっと下がると買われてしまうという需要がありますので、そこまで押さない。そのプラチナが真っ先に切り替えしている。そして20日火曜日にプラチナ、21日水曜日に金、そして22日木曜日に株式、という順番で動いている。このまま底入れ反転が続けば短期的には日本の株式市場もある程度戻っていくのではないかと。

 岡崎氏:商品価格が戻らないほうがいいと思っている変な理屈なんですけれども、確かに私も景気は心配しているんです。というのは世界同時株安が起こりましたから、やはり先ほど冒頭で個人消費がひょっとして下がるかもしれないと申しあげましたが、プラスして、アメリカなどで顕著なんですけれども、やはり今心配なのはガソリンの上昇。ガソリンが上がったので個人消費を手控える。ガソリン価格が上がってしまったのでお洋服新しいのが買えない。こういうような具体的な話です。元はと言えば原油価格の上昇の為なんですね。ここでちょっとブラックマンデーと現在との比較を冷静に振り返ってもらいたいんですが、その表を見て下さい。


【ブラックマンデー(1987)VS世界同時株安(2006)】
 ブラックマンデー1987年と今回、似ているところが4つあります。 世界中で中央銀行が金利の引き締めをしたということ。アメリカの貿易赤字の問題。それから原油等の値段が上がった。そしてアメリカの議長ですね。金融政策を束ねる方が交代した。この4つが似てるものですから、ブラックマンデーと同じ事態になるんではないかと皆大騒ぎしたんです。しかし良くみてみると異なるところが3つぐらいあります。一つ目の異なるところは、ブラックマンデーのとき、金利は確かに上がったんですが、上がった金利は長期の市場金利なんです。今は政策金利、短期の金利が当局によって無理やり上げられているんですね。 当時、ブラックマンデーのときに一番下がったのはアメリカ株なんです。
今は新興市場と商品市況です。
そしてブラックマンデーのときに下がりにくかったのは日本株なんです。今は逆にアメリカ株が下がりにくい状況、下げにくいところにあるんですね。 ここから何が言いたいかといいますと、鍵を握っているのは、政策金利と原油だと私は思うんですね。つまりガソリンの値段が上がるから、原油の値段が上がったからインフレ懸念が起きてきたわけであって、上がり続けると今度は、とてつもないインフレになるとか、あるいは個人消費が落ちるとか、マイナスの影響が出てくる。だからどこかで金利を引き締めなきゃいけない。そして金利を引き締め過ぎてしまうと今度は本格的な不況になってしまう。確かに景気が良くて商品市況上がりました。これはいいことなんですが、商品市況が上がりすぎちゃって、ガソリンとかの値段が上がってしまって、今度はそれを押さえなきゃいけないから金利を引き締めしすぎて不況になる。このリスクもある。今市場が気迷っているのはここだと思うんですよね。ですので、私は景気がいいことは喜ばしいことなんですけれども、原油価格が沈静化すること、これが1番期待したいところなんです。

 鈴木氏:私は、短期的に商品が上がれば株が上がると、で、岡崎さんは、商品が下がることによって株が上がると。
 岡崎氏:商品が下がることによってインフレ懸念が払拭されて、安定的に、少し時間は掛かるかもしれないですけど株が上がっていくと、こういう見方です。ポイントを絞ると原油、ガソリンです。これは上がらないほうがいい。
 鈴木氏:商品が上がることによって株が上がるという前提に立てば、業種的にはやはり非鉄株が短期的には良さそうですね。特に非鉄市況、貴金属市況が上昇することによって株が上昇するんでしたら、その尖兵は、大きく売られた非鉄株に上昇の余地があるのではないかなと思いますね。
 岡崎氏:私は逆に原油価格が沈静化してくれて、コストが下がる。恩恵を被る、例えば海運であるとか、こういったところです。ただ、兎にも角にも大事なのは金融政策。日銀総裁のコメントじゃないですけども、金利がゆっくりと慎重に引き締められること。アメリカも日本も、ここで性急な金融政策に出ると、思わぬことになります。ここに注意が必要です。