■マーケットウィナーズ(4/22放送)
テーマ:金利の上昇と株価の動向
ゲスト:鈴木一之(インフォストックスドットコム チーフアナリスト)
木野内栄治(大和総研 チーフテクニカルアナリスト シニアストラテジスト)
金利に注目してみました。株式市場、一方では商品の価格がどんどん値上がりして、一方では株式市場の銘柄でも国際優良株は買われているんですけど、軟調な銘柄も多い背景には金利の上昇というのが激しくあるんではないかなと思います。

 3月9日に、日銀の量的緩和が解除されました。その日を境に、赤い折れ線グラフ、だいたい1.4%〜1.6%のゾーンでこれまでずっと長いこと動いていた金利が、日銀の量的緩和の解除を境に、ズンズンと上昇を始めて、今週の前半には2.0%の大台を突破した。それまでは、金利が上昇するくらい、経済は正常化の過程に入ってるんだ。デフレ脱却だ。というので、金利の上昇+株価の上昇が連動して起こっていたんですが、さすがにある時点を越えてくると、このグラフで言うと1.8〜1.9ぐらいを超えてくるところから、金利は上がり続けるけど株価が下がり続ける。今週末はちょっと上がりましたけどね。金利が株価の頭を抑え気味になっているんではないかなという気がしたんですね。最近見たレポートでは、随分日本の企業っていうのは借金を返しましたから、昔ほど金利の影響を受けなくなったとよく言われているんですが、具体的に数字で言うと1%長期金利が上がると、大体日本の企業収益は全体で見ると1%〜2%ぐらい悪くなるというのが現実らしいんですよ。昔はこれが大体1対4ぐらいだったんです。ですから2.5%金利が上がると、一気に10%ぐらい減益になってしまうというような、そういうような時代に比べるとかなり良くなったんですけど、それでもやはり1%ぐらいで収めておいてくれれば大したことはないなというとこなんですけども、どんどんいってしまうと、困るということです。


 どこまでいくか分からないっていうのが株式市場の怖いところなんですが、日銀の量的緩和の解除、3月9日を境に業種別の騰落率、値上がり値下がりをとってみたんですね。まず、金利上昇が始まってから株価が上昇した業界というのは1に鉱業、2に石油、3に非鉄、まさに資源株、インフレ銘柄ばっかりです。それからインフレ期には比較的強いとみられているのがこの製造業です。機械、精密、金属製品もそうですが、9番目のハイテクの電気、こういうところが比較的金利の上昇局面には伝統的に強いということが表れていますね。

(岡崎氏)これは極めて整合性を持っていますね。というのは借入金の比率が、製造業に18%ぐらい全体に借りている中、お金を回している中で。それに比べると非製造業のほうがやはり借入金依存度が高いんですよ。ですから金利が上がってくる中ではどちらかというと製造業の方が強い。中小企業よりも大企業の方が強いという傾向は理論的にも裏づけられますね。


(鈴木氏)今度は同じ表で、3月9日を境にマイナスの方向に行っているのが、紙パルプ、電力ガス、航空も含めて装置産業ですね。それから鉄鋼、海運というやはり同じ様な装置産業、あるいはその他金融なんかは特に下がっていますが、非製造業が凄く大きくこちらに偏っていますね。かつての2000年のときも同じような動きがありました。一瞬だけゼロ金利が解除されて。

(木野内氏)基本的には日本の企業はキャッシュリッチになってきているので、金利に対する抵抗力というのはかなり前とは違うんですよね。そういうことでいきますと、今、業種別にはこういう動きがでていましたけれども、金利が上がってきたからといって株がどんどん駄目になっていってしまうかというと、そんなことはない。ただ、ここで注意しなきゃいけないのは、セクターごとでは色がでてくると、とりわけマーケットの中で、ファンダメンタルズとは別に、株式市場、或いは、債券市場よりも商品市況と、こういうような流れがでてくることを材料として物色が動いている可能性がありますね。
 値上がりの上位のほうにインフレ関連が凄く多いと、いうところをみるとやはりお金は商品市況に流れていると、これを映しているということだと思います。


(鈴木氏):最近の動きとしてやはりハイテク及び国際優良企業の動きというのが凄く顕著に見られるんですよね。ハイテクの缶詰と見られているのが、韓国と台湾です。サムソン電子や、あるいは台湾セミコンダクターというものが大きく上昇している。
赤と緑が韓国と台湾の動きで、それに対してナスダックがやはり凄く出遅れているような感じがするんですね。ナスダックが引っ張っているハイテク株のように見えて実は韓国、台湾が引っ張っている。


同じくこれは韓国、台湾なんですけれども、韓国、台湾が日経平均をはるかに上回っている。今日本でハイテク企業、あるいは国際優良株が買われているのは、韓国、台湾をキャッチアップするかの動きを今出しているのかなという感じがするんです。

(岡崎氏):ナスダックに集中して議論するよりは、私はアメリカ株全般が、やはり今日のニュースでも出てきた、そろそろ金利の引き上げが終わるぞというところですね。これを歓迎している環境の変化ですよね。ここのところを注目して、堅調な動きをこれからしてくるんじゃないかと。今少し差が出ていましたけれども、逆にかなり早い時期に追いかけて行くんじゃないかなと、私はどちらかというとアメリカ株に強気の見方をしているんですけどね。

(木野内氏):3月20日頃からハイテク、あるいは台湾韓国のマーケットは良く上がっているんですよね。このタイミングで他にもう一つ上がっている商品がございまして、それがDRAMです。半導体のメモリーですね。これの旧世代の価格が凄く上がっているんですね。このタイミングで何があったかというと、マイクロソフトのWINDOWSの新しいWINDOWSの発売の延期が発表になっています。年後半に発売になるものという風になっていたものが、消費者向けのものが来年の1月、あるいは企業向けのところが11月という風にですね、やや遅れているということが発表になったんですね。そしたらなんと、旧型がよく値上がりし始めた。つまり通常ですと、変え控えがでる時期が迫っていたんですが、これがもう変え控えが出なくなる。一旦は変え控えが前倒しになるということが分かったということなんですね。過去のWINDOWSの発売の年と、DRAMの価格というものを見ますと、WINDOWSが発売するときがDRAMの価格のボトムになるんです。その間半年ぐらいDRAMの価格が大きく下がります。この下がり方が尋常じゃないんです。5分の1ぐらいに下がります。今回もこういう動きが早晩でるんじゃないか。ハイテクの景況感悪くなるんじゃないかなという懸念があったのが、発売が延期になりましたということで、少しこういう動きが遠のいたと。これが今のハイテク、世界のハイテクを支えている可能性がある。そうしますと、早晩DRAMの価格の下落と共に世界のマーケットの軟調さっていうのは出てきてもおかしくないということになります。