■マーケットウィナーズ(3/11放送)
テーマ:株価と商品価格の相関
ゲスト:鈴木一之(インフォストックスドットコム チーフアナリスト)
大変、奥の深い問題ですが、最近の商品市況と株式市場の相関を追いかけてみました。

 まず金の値段、NYのCOMEXに上場しています金の先物の価格と日経平均の日足のチャートです。商品の値動き、金の値動きは、日経平均より激しい動きをするのですが、どうやら、金の値段と日本の株式市況は似通った動きをしているような感じがします。
  去年一年間、日経平均は4/22から、今年の1月まで、約9ヶ月かけて、40%以上、50%近くの上昇を見せたのは、この背景には、商品に代表される一次産品の上昇があったのではないかなと思います。これが今年に入って、少しギクシャクして来ている動きが見えるように思います。今年の2/8で、ライブドアショックで立ち直りかけてから、株式市場がちょっと不安な動きを示したこの日、日経平均が448円安を記録したのですが、前の晩、NYの金が現地価格で、一晩で3.5%下がった。金の価格が先行して、下がることで日本のマーケットはダメージを受けた。やはり、最近をとってみても、日本のマーケットは、金、商品市況の影響を受けているように思います。


ロンドンのLME、ロンドンメタルエクスチェンジ、金属取引所のデータから作りました銅とアルミの値動きです。夏場から銅が先行して上がり、アルミが追いかける形で、上昇し始めました。
 銅は、中国が発電所不足で、オリンピック前の2007年には何とか電力不足を解消しなくてはならない。発電所を作りますと、電線に使う銅の需要が増えますので、在庫がなくなったこともあり、先行して上がってきました。
 アルミは、日本企業の躍進に見られるように、自動車需要もかなり大きいと見られていて、去年の秋口から上がり始めて、暮れから1月にかけて垂直に近い上昇をして、NYの金と機を一にして、ロンドンの2/8にピークを付ける形で、そこから急落を始めた。
 気になるのは、最近の動きで、2/7に最初の天井をつけて、2/16に一番底。多少戻って、3/3に2番天井、戻り天井を付けて、現地3月7〜8日にかけて、アルミや亜鉛が再び下値二番底を見るような動きになりました。ここで止まってくれればよいのですが、これを突き抜けて、非鉄価格が下に来るようですと、株価の値下がりにつながってしまいかねないという懸念があります。


 つづいて亜鉛です。亜鉛は自動車のメッキ鋼板なんですね。鋼板に亜鉛をメッキして、自動車のボディの鉄板が作られているんですね。
  この自動車業界の好調さによって、亜鉛が急騰して、世界第2位の東邦亜鉛の株価が500円から、1000円まで急騰したんですが、またここに来て二番底を模索しているのかなというのが不安な要素です。


 住友金属鉱山です。“別子”は、住友金属鉱山の株式市場の愛称ですね。住友財閥は四国の新居浜の別子銅山から発展しています。別子は、金の値段に連動すると言われています。“金が上がれば、日経平均が上がる”、“別子の株価は金の値段と共に動く”ということは、三段論法ではありませんが、住友金属鉱山の株価が上がれば、日経平均が次に上昇することができると言えそうな最近の動きですね。


 それから海運運賃です。バルチック・ドライ・インデックス(BDI)は、不定期船の船賃をあらわす代表的な指標です。2004年までに倍近く上昇していたんですが、昨年3月の中国の景気ペースダウン政策に沿って、海運市況が急落して、半年くらい遅れて、海運運賃の下落が、日本郵船や商船三井の企業業績に影響を及ぼしているようです。これが今後値上がりしてこないと海運業界の市況回復にはつながらないでしょうね。
  全般的に、商品価格の上昇を、価格に添加できるか、製品価格まで浸透すると本当のデフレが終わると言えるのではないでしょうか。日々、激しく動く商品市況ですが、見逃すわけにはいきませんね。