■マーケットウィナーズ(11/26放送)
テーマ:2002年の危ない企業リストの企業の行方
ゲスト: 奥山 徳雄(フィスコアセットマネジメント 投資参謀)

 2002年当時、週刊新潮の10月17日号に出ていた会社名なんですけれども、今は会社名随分変わってしまいました。日商岩井は双日になりましたし、NKKはJFEですよね。この時何があったかというと、みんな忘れつつあるんですけど、不良債権処理問題なんですね。当時の竹中金融経済財務担当大臣が、すごい勢いで銀行に不良債権処理を迫って、一方では日本銀行は、銀行から不良債権をされる会社の株を買い取ったりして、もう1万円割れてましたかね。この辺りの銘柄を見ると今でも胃が痛んでくるんですが、大変苦しい思いをしたという懐かしいリストです。ちょうど当時、2002年7月に日経平均は1万円を割れまして、当時は8600円台をうろうろしてました。その後2003年4月に日経平均は歴史的な7600円をつけました。その7600円をつけるきっかけになったのがこの51社リストだったようです。


 51社の中で企業の名前が変わった会社もありますし、合併をした会社もあります。もちろん経営破綻した会社もあります。あの51社の中で株価がどれぐらい上がってるのかというランキングをしたのがこのリストです。上位5社には大京11.23倍、住友重機約10倍、住金と続いております。下位、これはあまり動いていない業種ですけども、コニカミノルタ、東急建設、セガサミーなどが続いております。当時投資していたら、全部で平均すると3.81倍となっております。こういうのは振り返ると買っておけばよかったなという話なんですが、当時は、誰も手を出せないから下がるわけで、ただ今指摘があった中で面白いのは、もしも全部買ってたら3.81倍で、全部買ってたら、それだけ分散効果があって、そんなに怖くはなかったのかもしれないなというのは、今後の為に考えておきたいところですけどね。当時は今の現状分からないわけですから、その時にリスクをとるというのは非常に勇気がいりますよね。ただ1つ面白いのは分散をするっていうところだと思いますね。よく言われるのは、銘柄数を増やせば増やすほど分散は出来ますが、そういう意味では、バリュー株投資、要するに今スターのように輝いていない株を買うっていうのは1つのポイントで、それを分散するっていうのはそれなりに意味があるということですね。
 それで今、1998年に始まった一連のデフレがこれで終焉したと。企業の清算とか再生が終わって株価が正常値に戻ったと言えるのではないでしょうか。それで、次はどうするかと言うと、今までの正常に戻るまでの投資尺度と、異なった投資尺度も必要になってくるのではないかと。


 今までの一般的な投資尺度としては、収益に対するバリューのPER。資産に対するバリューのPBRというのがあります。これからは、成長に対するバリューというのを計る意味でPEG(ペグ)と読んでますけども、PERを成長率で割った指標ですね。ペグレシオ、ペグとかいうものも、注目されるんではないかなと考えております。1倍以下だったら割安というような状態ですね。PER30倍、今の平均からするとちょっと高いかなという会社も成長率が30%ぐらいだとちょうど1.0倍ですから許容できるかなというところでしょうかね。


 スクリーニングをした条件ですけども、ここでは時価総額が1,000億円以上。売上高経常利益率が、1990年当時の1度目のバブル、2000当時のITバブルよりも経常利益がいいですよと。一株あたり利益の伸びが前期よりも当期予想の方が伸びていると、PEGが0倍から1倍というような条件でスクリーニングしてみました。


 スクリーニングする上での注目業種ですが、アメリカで言うところの素材、金融、耐久消費財、テクノロジー。アメリカでは9業種しかないんですね。日本では33業種ありまして細かくなっていますが、このようなところです。


 この素材セクターの中では、ブリヂストン、昭和電工、三菱レーヨン、東邦チタニウムとお馴染みの銘柄もあります。PEGが低いというのが注目だと思います。東邦チタニウムというのは先ほどの住友チタニウムと一緒になって大変な値上がりを遂げてますが、これで見てまだ成長する可能性があるとしたら、凄いことですね。65.7倍というPERですとどうしても手を出しかねるんですけども。成長率でみると随分割安ということにもなってしまいます。


 耐久財。カルソニックカンセイ、ケーヒン、日野自動車と自動車の部品ですとか、自動車関連にPEGが割安なものが目立っております。


 次にテクノロジーセクターでは、安川電機、イビデン、ゼンリン、オムロン、リコーと、お馴染みの優良銘柄が出てきましたというところです。ゼンリンなんていうのは、大変な株価の上昇が続いていて、グーグルについているんですよね。グーグルの脇の地図を調べていくと、殆んどゼンリンが提供しているんですね。それで上がってしまったという感じですね。
 成長率の高い株というのは基本的に比率が下がりますから、それはその通りです。ただ全体的に、一貫した指標として見るときにどうか?成長率をどういう風に計算するかによってかなり違ってしまいます。今回は今期予想の会社発表の成長率を用いておりますが、分母が変わってしまえば数字が全部変わってしまいますから、そこが1番難しいところです。予想成長率を使うわけですから当てにならないって言ってしまえばそれまでですが、当てにならないのは株価そのものもそうだったりしますから。
 逆に言えば自分なりに成長性を分析したPEGをつくることがいいと思いますね。自分なりの一貫性をもつことが大事だと思いますね。