■マーケットウィナーズ(11/12放送)
テーマ: バブル前夜の1985年の相場と2005年の相場
ゲスト: 鈴木 一之(インフォストックスドットコム)

 これは1983年頃からの日経平均です。この年に私は社会に巣立ったんですが、これから89年、バブルの頂点までを描いてます。38,945円という日経平均を見てしまった後ですので、85年というこの1年間というのは凄く低いところに見えますが、このとき84年の1月に、ここで初めて日経平均は史上初めて1万円の大台を突破したんですね。ですから、85年というのは新高値を更新するっていうような動きを続けてきた年でした。その後、プラザ合意以降、出来高が爆発的に膨らんだ、というのがその後に控えているんですけど、まさにバブルというものが準備された年というのが85年だったということになるんでしょうね。実は、この時期景気が山なんですよね。この後景気が谷へ向かう、景気後退に入る。この辺りが面白いんですね。
 プラザ合意がバブルのきっかけだったと一般的に言われますが、その後86年、87年というのはブラックマンデーもあって景気がすごく悪かったんですね。ほんとにバブルの景気というのは88年から89年のラスト2年間だけを言うような状況になっていて、株価はそれを繁栄してるということになると思うんです。


 時価総額ベースで見てみるとギュッと加速してるんですが、これはバブルの頂点、瞬間風速600兆円を超えましたが、東証1部の時価総額の年末時で591兆円。これから見ると低いのですが、やっぱり1985年というのは、180兆円に達して当時の新記録、1949年の東証の開所来の数字です。公開企業数も今でこそ1600を超えていますが、当時は1000企業、1000銘柄ちょっとだったんです。あっさりと600兆円、610兆円と言いましたしたけど、これ当時のGDPの300兆円ですから、2倍近くなんですね。今は名目GDP500兆円で、時価総額400兆円ですから、バブルではない。ちゃんとバランスとれてますよね。アメリカのGDPが10兆ドルで、時価総額14兆ドルぐらいですから、この基準でいくとちょっと危ないかなという感じですね。イギリスは常にGDPよりも多めの時価総額もってますし、インドなんかとんでもなくもっています。


 出来高、売買高回転率というので見ていきますと、その後のバブルの動きというのが準備されていたなという感じがします。前の年の84年に制癌剤相場が起きましたので、84年から85年にかけては化学、今で言う薬品株ですね、当時は科学と薬品が一緒だったんですが、ここで年の前半は盛り上がっていたんですね。ところが9月にプラザ合意が来て、世の中が180度変わりましたので、そこから先は不動産が、高い売買回転率となっていますが、これは発行株式総数で出来高を割り算してあげるんですね。分母が発行株数、分子が出来高、ですから1年間で世の中に流通する株券が何回転したかっていうやつですね、不動産は1回転以上したっていうことですね。2番目の水産、これは小さいセクターですけど、3番目の倉庫・運輸、4番目の建設、ここら辺がその後の、86年以降のバブル相場を、あるいは地価の高騰というものを引っ張っていくような業種が早くもここで表れているなという感じがしますね。不動産なんかはこの時すでに、売上高の経常利益率が8%から9%いって高収益だったんですね。だから必ずしもマネーゲームという要素だけではない、ちゃんと裏づけるものがあったんですね。


 今度は騰落率です。セクター指数で見た場合の値上がり・値下がりで見ましたが、1年間通してみると、ナンバーワンは空運。2番目が金融ですね。銀行株が前の年から非常に大きく動いた。そして倉庫・運輸。それから不動産、電力ガス。特に東京電力ですね。あの時盛んに言われた円高メリットと言われているやつです。東京電力は昔は株価500円で配当50円出していたという銘柄が資産株だったんですけどいきなり成長株に変わってしまった。逆にワーストのほうでいくと、下から2番目に電気、ハイテクですね。それから機械、精密と。やはりプラザ合意以降の円高のダメージがはっきり繁栄している。


 ここからは個別の銘柄です。まずは出来高、売買代金それぞれ多かった銘柄です。 出来高でみると三菱重工、新日鉄と、少しずつディーリング銘柄っていう感じになってくるんですね。5番目に三菱化成、社名変更してます。1番下には川崎製鉄という、今のJFEホールディングスですね。それから売買金額でいきますと、やはり制癌剤。薬品株相場で山之内製薬、これも今アステラス製薬になってしまいました。東京電力辺りがここに出てくる。ミドリ十字もあったり、エイズの第1号の日本人患者がでた年ですよね。


 そして、個別銘柄の値上がり・値下がりでいきますと、雅叙園観光。それから大阪建物。地産トーカン。含み資産株が材料っぽく買われる銘柄が兆しとして出てきているなと。不二家、藤和不動産なんかそうですよね。逆にマイナスのところは、名糖産業、持田製薬という制癌剤相場の成れの果て、大阪チタニウムという住友チタニウムの前身にあたる会社ですね。そういうものがマイナスのほうには出てきていますね。85年に買われた銘柄が、後の86年87年の、もしも兆しとかきっかけとなっていたとしたら、今年、20年を経た今年、ここまで買われた銘柄が、この後の時代の兆しになるのかなと思って、今年のここまでの年間値上がり率上位だけを今もってきてみました。


 1位のアビリット、それから2位の先ほどの住友チタニウム。大京。リバイバルの銘柄ですよね。含み資産、不動産投資ファンド。地銀。鉄鋼株。鉄鋼株では大同特鋼あたりも出てきますね。今現在2005年値上がり率上位ということですね。
 当時と今と、1番大きな違いは株式の持合というものが完全に無くなった。ほぼ完全に、新しい持合が出来るくらいになるまで無くなったということが大きいんではないでしょうかね。いわゆる安定株主で口は挟まないという人たちが物言う株主にガラガラ音をたてて変わったというところが1番大きいなと思います。株取引の手数料も違いますし、情報開示のやり方も随分変わりました。ですからこの20年間の進歩っていうのは実は相当大きいんだなと思いますね。当時は内需拡大がバブルにいってしまったという失敗の例があるわけですよね。今回も今内需、内需と我々も注目してみてますけども、今度こそしっかりとした実のある内需に育てていってもらいたい。公共投資とかじゃなくて、本当に個人消費、身の回りを豊かにするような形の経済成長っていう風になっていってほしいですね。