■マーケットウィナーズ(10/15放送)
テーマ: “もはやバブル後ではない”強気相場の分散投資術
ゲスト: 山田 勉(カブドットコム証券 マーケットアナリスト)

 ここのところの強気な相場ですが、このまま一本調子に上げちゃいましたらスグに2万円いっちゃいますからね。それはちょっとスピードを緩めながら、やはり上がったり下がったりを繰り返しながら下値を切り上げていくといった展開が続くんだと思います。皆さんほとんどの方がこんな感じで考え始めているんだろうと思いますが、新しい相場がこれから始まる、と言う前にこれまではどうだったのか、という辺りから振り返ってみたいと思います。


 スパッと言えば過去20年、日米株価がどう動いたのかということで、上の方の青い字で、NYダウ、それから赤い線が日経平均ということで、バブルの89年12月を100として、その変動がどうなったのかというのを対数メモリで表示しています。
 まず、このジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた日本がアメリカから学ぶものはないというちょっと驕った時代にあって、日本はバブル崩壊に突入したわけですが、一方のアメリカの方は、ベルリンの壁が崩壊して以降その共産諸国が自由権に入ってきたのを尻目にじわじわ上がってきまして、IT革命でまさに米国の覇権が完成したと。まさにアメリカの天下だったわけですよね。世界一極集中と言われましたが、一方、日本の方はというと、デフレ、それから不良債権、株式の持ち合い、3つの過剰。そういった過去の遺物にずっと押さえられて株価の方がずっと下に追いやられたというのがこの16年。長い年月でしたね。ざっとアメリカの株が100が4倍ぐらいになって、日本は100が20とかそんなものですね。
 ですから日本はようやく03年に底を打って上がったとはいえ、まだ当時の半値以下と、あちらの方は4倍以上と、足元、米株がもたついて、日本が調子いいのが、デカップリングとか言いまして「おかしいやんけ」っていうような論調もあるんですが、もともと下がりすぎてたっていうことの修正だけが始まったと考えていいのかと思います。
 売買代金で3兆円とは言いませんけど、2兆円台が平気で続くとこれは尋常じゃないですね。特に8月の12,000円超えてから、今、まさに新しいお客さんがマーケットに続々と詰め掛けている。そして10月には郵便局でも投信が買えると。特にこのボーナスなんかは伸びますから、そのボーナス資金がマーケットに入ってくるというのもある程度読めるわけです。ですからもたついている間に株をお持ちになったらどうですかというようなタイミングだと思いますね。
 前回も言いましたけど、電話の問い合わせでも本当初心者の方多いですから、大変です。まさにこういう時代です。


 昔はよくダウって株を下さい。というお客さんが店頭によくいらっしゃったということをよく言われましたが、今はダウって言いませんし、ニュースキャスターの方が日経平均、日経平均といいますから、まさに日経平均が上がった上がったと伝えれば伝えるほど、日経平均って株を下さいというお客様が増えてるわけですよね。今は日経平均という株があるんです。ETFですね。それから日経平均に連動する投資信託もあります。ですから日経平均をお求めの方はこういった選択肢がある。TOPIXもありますしね。


 これは89年12月を100とした業種別日経平均株価の推移です。ここが100ですので、黒線以上は89年末から上がってるという意味ですね。これでお解かりのとおり勝ち組に属する業種と負け組みの業種というのが歴然とあります。この勝ち組の業種をみていきますと、精密、自動車、医薬品、電機、商社といずれもグローバルなところに収益源を持つような企業です。海外で稼いだために日本国内の経済低迷の影響をそれほど受けなかった。だから株価のほうもそんなに下がらず、例えば自動車とか精密とかでしたら当時よりも上にある。こういった上の業種には失われた10年はなかったということになりますね。
 一方で、10数年を失い続けたのはこの下位の業種です。不動産、海運、銀行、鉄鋼とありますが、まさに国内経済の低迷と共にずっと下がってきて、現在ようやくこの2年ぐらい持ち直し始めたというような業種です。面白いのが、やはり海運と鉄鋼株。これらは下げすぎの反動もあるんですが、収益がのってきたと。まさに新興国経済の高度成長が始まって、鉄でも海運でも大活況だということで、長い歴史の中で淘汰されてきて、少ない業者が残って残存した利益をたっぷり得ている。その鉄鋼や海運はどちらかと言えば勝者に近づいていくだろうというように考えられます。それから内需の典型であります不動産、それから銀行ですね。今脱デフレということで不動産価格も反転し始めていますが、そういった脱デフレで恩恵をこうむる不動産、銀行などもまだまだ上値があるだろうという風に思われます。
 頭のいい方は、スグおっしゃいます、ニューヨークがPER16倍だと、日本は20倍だと、もう高いよと。これ以上日本株を外国人が買う理由はないとよくおっしゃいます。でもまだ外国人買ってますよね。なんででしょうか?それは来年度の見通しでPERも今年は18が、20まで上がりましたけども、もう1度利益が上がってくるとPERもまた下がって16になるとか、それの繰り返しが1つありますね。


 つまり、日本企業、日本経済が、サステイナブル、持続的に増益をしていけるんではないか。そこを目掛けて外国人投資家は買ってきているということだと思いますが、じゃあ現在のPER水準、現在、足元20倍ぐらいまでいってます。赤線がPERで青線がTOPIXですが、その20倍というのが歴史的にどうなのかといいますと、PER20倍の時代というのはないんですね。今みたいに業績が良くて、最高益で4期連続増益で、尚且つPERが20倍。これはもの凄く幸せな時期だと思いますね。
 PERを見る限り、やはりバブルの時期は高すぎたんだと思うんですね。その時期と比べると低いというのはその通りなんですけど、ただ株というのは長期の成長性を買うものですから、そうすると長期で収益力が上がっていくということは、PERは自然と逆に下がっていくものなんですね。


 先ほどの過去のPERと比べるパターンですが、これは新日鉄です。ここ20年新日鉄はPERで買えなかった銘柄でしたよね。目盛りが600倍、1200倍というなんかわけが分からなくなる。この新日鉄のPERは青線なんですが、マイナスになったり、600倍、1200倍になったりで、ほとんどPERで買える銘柄ではなかったのが、足元業績が最高潮、最高益だと、いうときにPERがなんと今9倍台だと。非常にお買い得と言いますか、やっと常識にかかる株になっている。


 次にトヨタです。まさに89年末がここで、それよりも高い位置にあると、当然失われた10年なんてなくてずっと業績も株価のほうも右肩上がりできたような株なんですが、足元PERっていうのは15倍ぐらいですね。こういう常識にかかる株でも、PERの水準というのは昔はヘッチャラで、高いとこまで買われたと。つまりですね、結局PERというのは流入する資金、新規に入ってくるお金が、ググッと押し上げて初めて上がってくる。あらかじめマーケットにいる人がPERを決めるわけじゃないと。決めるのはこれから入ってくる投資家だと。お金が入ってくれば、水準は上がるよということで、PERの20倍がどうこうというのはあまり意識しなくていいと思いますね。今まさに、また株式ブームが始まったというとうな頃だと思いますので、これから1年くらいは非常に楽しみな局面が出てくるんではないかなと思いますね。失礼な言い方ですが、新たな資金というのはやはり自分よりも初心者なわけですね。では誰でも知ってる優良株、01銘柄とか主力株とか言いますけど、そのトヨタなんかのグローバルストックなんかもそうでしょう。そういう当たり前の株を当たり前に持ってること。これが1番大事だと思いますね。