■マーケットブランチ(11月20日放送)
テーマ: 東証1部直接上場銘柄への投資術
講 師:
中村孝也(フィスコ アナリスト株式担当)
年末にかけて40〜60社ぐらいが新規上場を予定しています。中でも、東証1部上場というのは投資家にとって大きな意味があります。一般的には割安度を判断材料に投資すべきですが、東証1部直接上場の場合は特殊な需給が発生します。つまりTOPIXに連動して運用している投資資金が銘柄に入ってきます。買い需要がどの程度になるかを念頭に投資戦略を考える必要があります。一説によるとTOPIX連動運用資金は約18兆円といわれています。

NECエレクトロ二クスを例に、買い需要のインパクトを計算してみます。
[1] TOPIX組み入れ時の時価総額(=株価×発行済み株式数)を計算します。
【NECエレ】9,996億円
[2] 上記金額が、組み入れ時のTOPIX時価総額に対して占める割合(算入ウェイト)を計算します。
【NECエレ】9,996億円÷295兆円=0.34%
[3] TOPIX連動資金に算入ウェイトを乗じて、推定買い入れ金額を計算します。これが同社への買い需要として発生する可能性がある金額です。
【NECエレ】18兆円×0.34%=615億円
[4] 推定買い入れ金額を、TOPIX組み入れまでの1日あたりの平均売買代金で割り、インパクトが何日分かを計算します。
【NECエレ】615億円÷118億円=5.19日分


インパクトが多いほど株価に上昇圧力がかかりやすく、NECエレの5日分というのは高い数値といえます。最近ではNTT都市開発、エルピーダメモリ、国際石油開発が上場しましたが、NECエレと比べるとまだ低い数値となっています。上場直後のため、数値の推移を見守る必要があります。


実際の値動きを見ると、上昇インパクトの大きかったNECエレは大きく値上がりしています。一方、インパクトが小さかった新生銀行(0.47日分)は、新規上場した週がほとんど高値でした。TOPIX組み入れ週は、初値に戻るのが精一杯でした。
この他にもう1つ、東証1部直接上場銘柄の買いインパクトを算出する方法があります。浮動株、すなわち公募・売出株数に対するTOPIX買いのインパクトを計算します。浮動株が少ないとTOPIX買いのインパクトというのは相対的に高くなります。マーケットの流通している株数が少ないところにTOPIX買いが入ると、株価は上昇しやすくなります。

NECエレで2.53倍、新生銀行は11.68倍で、先ほどと逆で数字が大きいほうが買いインパクトが弱いことになります。今上場して1ヶ月後を迎えようとしているNTT都市開発、エルピーダメモリ、国際石油開発のうち一番買いインパクトが大きいのが国際石油開発の3.32倍になります。新規上場銘柄への投資は、どのくらい資金が流入してくるのか、そして浮動株が多いか少ないか、という点に注意しなくてはいけません。