トルコ・長崎美食対決!〜オスマン宮廷料理vs卓袱料理 五番勝負〜


外国船に開かれた唯一の窓口出島を通して、オランダ始め西洋の文化が入ってきた港町長崎。日本情緒漂う町を訪ねるのは女優・田中美里。オランダ坂、グラバー邸、眼鏡橋…街の至る所で400年の海外交流の軌跡を見いだす。この長崎に生まれたのが“異国グルメ”。カステラなどの南蛮菓子。日本初の西洋料理店。新地中華街。さらに長崎発祥のちゃんぽん。そして長崎異国料理の集大成「卓袱(しっぽく)料理」。

卓袱とはちゃぶ台のこと。丸テーブルに大皿中皿小皿の料理をドンと出し、卓を囲んだ銘々で楽しむというもの。別名「和華蘭(わからん)料理」といわれるように並ぶ料理は南蛮風中国風和食あり。その卓袱料理の老舗が史跡料亭「花月」。400年の歴史を誇り、坂本龍馬や勝海舟も足を運んだ名店。



ここで田中は生まれて初めてという卓袱料理を堪能する。花月の厨房を預かるのが調理長の橋本正彦さん。彼の夢は「卓袱料理を世界に知らせたい」。その願いがトルココック協会に届いた。トルコはオスマン王朝の時代世界の料理文化が集結。世界三大料理に数えられるトルコ料理を生んだ異国グルメのお国柄。そのトルコで、料理対決を行うことが決定した。橋本さんはアシスタントにまだこの道6ヶ月という井上聡介さんを選んだ。「腕よりも勝負度胸を買った」という人選だ。

いよいよトルコ入りした“チーム花月”の橋本調理長と井上さん。
ガラタ塔から見るイスタンブールの街並は坂と海に囲まれ、長崎に似ていることに親近感を覚える。トプカプ宮殿の巨大な厨房に宮廷料理の奥深さを感じ取る。本場のケバブ料理は日本で知られているものとは大違い。豊富な食材、スパイスをきかせた味付けなど、トルコ料理が世界三大料理といわれる由縁を料理人ならではの舌で感じ取った。





決戦会場「レストラン・アシタネ」は、オスマン王朝時代の幻の料理を再現したことで有名。シェフのカディール・イルマス氏は33歳と若手ながら、トルコ料理界期待の星。
カディール氏が伝統的な宮廷料理と創作料理を振る舞ってくれた。余裕のジャブか……。
素材、スパイス、盛りつけ、火の通し加減……想像以上に手強い相手のようだ。

“チーム花月”の食材探しが始まった。魚市場に並ぶ魚。「思ったより悪くない」という橋本さん。裏を返せば「良くもない」。そんな中で選んだのが鯖とスズキ。
イスラム教国のため豚肉が使えない。その活路を牛肉ではなく、あえて初めて使うという仔羊(ラム)に見いだす。野菜は新鮮で豊富、問題ない。
食材はそろった。いざ試作!

自慢の「長崎天麩羅」をカディール氏に試食してもらった。評価は「料理としては甘すぎる」。街の有名スイーツ店では、お汁粉をアレンジしたスイーツを試食してもらった。評価は。「甘さが足りない」。完璧なるアウェー。 対決の日まであと2日。厨房での試行錯誤が深夜まで続いた。



決戦当日。会場にはトルコのテレビ局や新聞社の取材陣も詰めかけた。
日本vsトルコの料理対決はかなりの注目を集めていた。

対戦は五番勝負。
スープ・前菜・魚・肉・デザート。一勝負ごとに必ず優劣をつける。引き分けはない。審査員はトプカプ宮殿の元館長、コック協会の会長のトルコ人二人に、トルコで活躍する日本人女優・高野あゆみの3人。ここでもアウェーのハンデは否めない。





コイントスで先攻を選んだ日本チームが先に動く。
まずはスープ。オランダ伝来の南蛮料理「ヒカド」をアレンジした一品。澄んだスープにトルコ人審査員が驚きの様子を見せた。相手は濃厚なアーモンドスープ。勝敗は?

以降、厨房では休む間もなく料理作りが続く。
前菜6種盛り、スズキの宝楽焼き……。盛りつけの美しさが好評のようだ。
残るは、ラムを使った肉料理、甘さが足りないといわれた問題のデザートは……?
五番勝負が終り両チームのシェフが審査委員に呼ばれた。

日本トルコ料理対決。勝ったのはどっちだ?(初回放送 2009年1月2日)