《 第24回 》 浜離宮恩賜庭園 東京都

近年、開発目覚しい東京のベイエリアに、突如ひろがる浜離宮恩賜庭園。背景には高層ビルが建ち並び、反対側には東京湾が一望できる、まさに都会のオアシスです。

この庭園は、徳川4代将軍家綱の弟で甲府藩主であった松平綱重が、将軍家の鷹狩りの場だったこの地の浜を埋め立て、1669年に完成させました。その後、綱重の子・綱豊が5代将軍綱吉の養子となったのを機に、将軍家の所有となり、以降160年間将軍の別邸として、浜御殿と呼ばれるようになります。

1709年6代家宣が植えた松は、都内最大級の300年の松として、今もこの庭園を彩っています。庭園内には海水を引き入れた潮入りの池がひろがり、そこに浮かぶ中島に建つ御茶屋は、歴代の将軍が公家を招きもてなす場となっていました。潮入りの池には水門が設けられ、潮の満ち引きに応じて開閉し、池への水の出入を調節しています。ここには、鴨やゆりかもめが飛来し、ボラやセイゴなどの魚が住みます。11代将軍の奥方は、この池で魚釣りを楽しんだと伝えられています。

明治維新後、浜御殿は浜離宮と名を変え、宮内省が管理するようになりました。1869年には、園内に国内最初の西洋式石造りの建物・延遼館がつくられ、迎賓館として多くの客人を迎えました。そして、1879年アメリカのグラント将軍と明治天皇の会談がこの地でひらかれ、将軍は2ヶ月にわたって浜離宮に宿泊もしました。老朽化のため今はなくなってしまった延遼館ですが、当時から残る御影石の灯籠がその歴史を今に伝えています。