《 第22回 》 龍潭寺 静岡県

静岡県浜松市の、風光明媚な奥浜名湖の北に位置する井伊谷。この地は、井伊直弼に代表される井伊家の発祥の地です。
そしてここにある龍潭寺は、井伊家の菩提寺です。
井伊家は、第24代井伊直政が藩主のとき、関が原の手柄で、彦根の地に移っていきます。直政は彦根にも龍潭寺をつくりますが、領地が移ったあとも井伊家の人々はこの浜松の龍潭寺を大切にしました。

龍潭寺は戦国時代に一旦全焼してしまいましたが、江戸初期に復興を遂げます。復興の際、ときの藩主25代直孝は、交流のあった近江小室藩主・小堀遠州に造園を依頼します。
千利休の流れを継ぐ大名茶人・遠州は、建築・和歌・書画などの才を持ち、更に庭造りの名人としても名を馳せる人物でありました。利休の「わびさび」に対し、遠州は「綺麗寂び」という装飾性豊かで洗練された美意識をもってこの池泉鑑賞式庭園をつくりあげます。

庭園を立体的に見せる3つの築山、丸く刈り込まれ鮮やかな花で庭園を華麗に彩る皐月、厳しい禅の修業を表し庭の輪郭にアクセントをつける礼拝石、などなど、東海一の名園と言われるその姿は、凛とした品格が漂います。優雅で気品に満ちた龍潭寺庭園には、井伊家の誇りと繁栄を願う力強いエネルギーが込められているのです。