《 第21回 》 兼六園 石川県

加賀百万石・前田家の金沢城の城下町として栄えた石川県金沢市にある兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに日本三名園に数えられています。

1676年5代藩主・前田綱紀によって、城の東隣の別荘の庭園として造園が始められ、以降184年の歳月をかけつくり上げられた大名庭園です。瓢池(ひさごいけ)という名の池の周りを巡って楽しむ池泉回遊式、そしてその奥の深山渓谷の林間を巡る林泉回遊式の2面あわせもつ庭園です。正門である蓮池門旧址をぬけると美しく広大な絶景がひろがります。
また、庭園の片隅に佇む茶亭・夕顔亭は、1774年建てられたままの姿で残っています。

兼六園という名は、ひとつは広々とていること、2つ目は静寂に包まれ奥深さがあること、3つ目は人の手が加わっていること、4つ目は自然林を思わせる木々が生い茂り古びた趣があること、5つ目は清冽な滝や豊かな水をたたえた池があり、そして6つめは素晴らしい眺望を満喫できるという、6つの素晴らしい要素を兼ね備えた庭園ということで、1822年松平定信によって名付けられました。

184年もの歳月を費やし、この庭園が完成したときには、幕末が目前に迫っていました。兼六園はこの地で隆盛を極めた加賀百万石・前田家の栄華の歴史とともにあったのです。