《 第20回 》 瑞泉寺 神奈川県

歴史と観光の街・鎌倉。ここには数多くの名園があります。
そんな中、瑞泉寺の庭園を訪れる人はみな驚きを持ってこの庭園を眺めます。長い年月をかけ、風雨が岩山を削ってできたような洞穴や池。ダイナミックな美しさを持ちながらも、やや殺風景とも思われるこの庭園は、夢想国師によって作庭されました。

鎌倉末期から南北朝時代にかけて活躍した臨済宗の僧侶・夢想国師は、後醍醐天皇や足利尊氏からも尊敬された高僧で、京都の天龍寺や西芳寺(苔寺)などの名園をつくりあげたことでも有名です。自然の地形を生かし岩盤を掘ってつくられたこの天女洞を、国師は「水月観道場」と呼び、ここで禅の修業をしました。国師にとって禅と庭園は切っても切れないものであったのです。