《 第16回 》 東京国立博物館 東京都

東京上野、この街の代名詞でもある上野恩賜公園には、多くの美術館や博物館が立ち並びます。

その中の最古の博物館・東京国立博物館は1872年に創立されました。そこには、桜の季節と紅葉の季節に年2回だけ一般公開される庭園があります。
もともと、徳川家光の時代、1625年に徳川家の菩提寺としてつくられた寛永寺があったこの地は、1868年の戊辰戦争で焼け野原となってしまい、跡地に博物館が建てられ、この庭園ができたのです。

庭園内にはいくつもの茶室があります。日本各地にあった、由緒正しい建物を次々と移築してきたのです。江戸初期の茶人・小堀遠州が建てた・転合庵は京都伏見の六地蔵から大原寂光寺を経て1963年に移築されました。
江戸初期の商人・河村瑞賢が大阪に建てた春草廬、17世紀に奈良興福寺慈眼院に建てられた六窓庵なども博物館に寄贈されました。

庭園はそれらの建物とともに、豊かな緑に覆われています。博物館がある限り、この緑と歴史あふれる庭園は、次の時代へと守り次がれていくことでしょう。