《 第14回 》 當麻寺・奥院 奈良県

大和の国の西に位置し、夕陽がふたつの峰の間に沈むことから、西方極楽浄土の入口、死者の魂が赴く先と考えられていた山・奈良県の二上山の麓の、のどかな田園地帯に當麻寺はあります。

聖徳太子の弟・麻呂古王が開いたと言われる寺院で、天平の香りが漂う中に、平安時代や鎌倉時代に建てられた本堂や金堂があります。歴史上、京都は戦乱のたびにお寺が燃やされ、知恩院の本尊だけは守りたいということで、真言宗の當麻寺に浄土宗開祖の法然の本尊も移されたのです。

本尊「當麻曼荼羅」に描かれた極楽を表現したのが、本堂後ろに広がる「浄土庭園」です。また、本堂南側の参道の奥には、無数の巨石が組み合わされた、現世を現す庭園もあります。當麻寺は別名「牡丹の寺」としても有名で、晩秋には散り行く紅葉も境内を美しく彩ります。

極楽浄土へ続く美しい當麻寺の庭園は、観る人に人生を考える時間をつくってくれます。