《 第11回 》 輪王寺逍遥園 栃木県

1200年もの昔から山岳信仰の一大霊山として栄えてきた日光山には、世界遺産に登録された貴重な歴史的建造物が数多くあります。

その中心となるのが輪王寺です。その本堂の向かいには、紅葉の名所として名高い「逍遥園」があります。江戸時代を代表する造園家・小堀遠州の作と伝えられる逍遥園は、「ここへ来て逍遥する(特に何をするでもなく気分転換のために川辺や山野を歩くという意味)ことは、禅の寂びの精神に合致する」ということから名付けられました。

庭園の特等席でもある東屋からは、何種類にも及ぶカエデが色づく景色を堪能することができます。池泉回遊式庭園である逍遥園の中心に位置する池は琵琶湖を模しているといわれています。
そして、輪王寺には一般に公開されていないもうひとつの庭園「灯篭の庭」があります。輪王寺の本堂を現在の場所に移し再建した徳川三代将軍家光は、祖父である家康を神様として祭る東照宮を建て、自らの死後も崇拝してやまない家康のそばで仕えたいと願い、ここ輪王寺の大猷院に霊廟をつくり眠っています。灯篭の庭はそんな家光の霊を慰めるためにつくられた庭園なのです。