《 第1回 》 三溪園(横浜) 神奈川県

三渓園を、三渓園の中の建物・臨春閣が主人公となり紹介していく。
三渓園は明治・大正時代に貿易商として活躍した原三渓の手によって1906年に開園した。
庭石ひとつ選ぶのにもこだわった三渓は、日本全国の様々な古い建物をコレクションし、ここに移築した。伏見城にあった月華殿、鎌倉の旧東慶寺の仏殿、京都の寺にあった三重塔。その中でも臨春閣はそんなこだわりの庭園を代表する建物のひとつである。
臨春閣は、350年以上も前に和歌山で建てられ紀州の殿様も宿泊した由緒ある建物を1917年に移築。室内には狩野永徳の作といわれる襖絵、三渓自身が京都・高台寺の観月台を真似て作った“亭しゃ”と呼ばれる見晴らし台などがある。
この庭園には、三渓の庭園に対する熱意を知る当時の著名人たちが多く訪れた。文豪・夏目漱石や芥川龍之介、近代日本画家・下村観山らである。
三渓園は芸術をこよなく愛した原三渓が創り上げた理想の庭園なのである。