旅をこよなく愛し俳句に造詣が深い、作家・森村誠一。その森村が、「平成の芭蕉」となり、魅力と謎に満ちた「奥の細道」をたどる旅。第9回は、城下町・鶴岡、句作三昧の日々で8泊を過ごした酒田、そして松島に並ぶ景勝の地と芭蕉が讃える象潟を訪れます。旅のスタートになった鶴岡はかつて城下町であり、今もその面影を町のそこここに残します。一方、次に訪れた酒田は、当時、日本海側を代表する商都であり、俳諧も盛んな地でした。ここで、本間美術館、豪商本間家の旧本邸などを訪ねた森村。酒田の底力に感じ入りました。そして、今回の旅のハイライト、象潟へ。芭蕉訪問の当時の象潟は、湖面に多くの島が浮かぶ風光明媚な地。芭蕉はその様子を技巧の限りを尽くして描写するとともに、中国の美女にたとえて「象潟や雨に西施(せいし)がねぶの花」と詠みました。この句を俎上に、芭蕉の人物像にまつわる謎に迫る森村。その大胆な推理は……。






