2016年11月20日
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
現在、日本人の約15%にあたる1700万人もの人が花粉症だといわれ、その数は年々増加している。さらに、花粉症予備軍と考えられる花粉に対する抗体を持っている人の率は、スギ花粉だけを取ってみても、60%近くになっていて、特に若い人に多いことが知られている。そんなスギ花粉症が、特別な「米」を食べ続けることで治るかもしれない。遺伝子組み換え技術を駆使した「スギ花粉米」を研究・開発している国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 スギ花粉米研究チーム元ユニット長の高岩文雄さん。
今の花粉症の根本的な治療には、アレルゲンそのものを注射などで少しずつ投与し、アレルゲンを体が異物と認識しなくなるようにするという方法があるが、この治療は3~5年と長期にわたり、治癒率も6~7割と低い。高岩さんは、この方法を毎日の食事に取り入れてはどうかと考えた。選んだのは日本人の主食である「米」。アレルゲンの構造を変えて安全性を高めた抗原を「米」に蓄積する遺伝子をつくって稲に導入した。「スギ花粉米」は通常の「米」と外見はなんら変わらない。高岩さんの遺伝子組み換え技術を使えば、各種アレルギーの治療はもちろん、血中コレステロールや中性脂肪、血圧が調整できる治療米も開発できるかもしれない。挑戦を続ける高岩さんに迫る。





