出演者

◆講師/小林 芙蓉(こばやし ふよう)
書の基本に根ざした堂々たる作品から、豊かな感性を発揮した前衛書までジャンルにとらわれることのない幅広い作品が人気。
書は技術よりも心・・・筆を通して日本の伝統、日本の心を残し、伝えて行きたいという信条で書道、書画の普及に努めている。
1976年から77年、オーストラリア国立大学日本語学科で書と俳句を指導したのをきっかけに、国際親善で多くの国を回り『筆が織りなす日本の心』を紹介、活躍の舞台は世界各国へと広がっている。


◆生徒・進行役/大岡 優一郎(テレビ東京アナウンサー)
番組内容
毎回テーマに沿った“文字”または“言葉”を決め、教室の中だけでなく京都嵐山を舞台に、
小林さん独自のユニークなレッスンが展開されます。
暮らしの中ですぐに役立つ、すぐに楽しめる…そんな書道と、書道に親しむコツと技が満載です。
放送内容
第10回 12月18日放送 俳句を楽しもう

最後に芙蓉先生から書のメーセージが・・・

嵐山書庵、最終回は俳句と俳画に挑戦です。
具体的には、まず俳句を考えそれを想像させる絵(俳画)を描きます。
そしてその絵にあった字体で俳句を書いていきます。
訪ねたのは嵐山にほど近い嵯峨野の茅葺き屋根の小さな庵、落柿舎。
芭蕉門下で元禄の俳人、向井去来の庵です。
縁側に腰掛け、庭を彩る木々や草花を題材に俳句を練って行きます。
芙蓉先生いわく俳画は“スケッチ書道”のようなもの。
対象物をよ〜く観察した上で、省けるものはすべて省いてこれ以上省いたら絵にはならない、というぎりぎりのところを描くのがコツなのだそうです。
俳画の難しさも然ることながら、生まれて初めて俳句を作る、という大岡アナ・・・まいったなぁ、ウ〜ウ〜ッとうめきながらも「素直に詠んだらいい」という先生のアドバイスのもと、とても感動的な作品をつくります。
また、ミニコーナー“書道事始”では落款の彫り方も教えてもらいます。
番組の最後には芙蓉先生から書のメッセージをお届けします。

落柿舎で俳句を考える二人

大岡アナ、優一郎の『ゆ』を彫って落款づくり

芙蓉先生の参考作品『いたわり』
第9回 12月11日放送 書を見る楽しみ

新潟出雲崎にて、大好きな良寛さまの銅像に思わず抱きつく芙蓉先生
書には書く楽しみだけでなく見る楽しみもあります。
例えば嵐山の町に出てみると・・・普段見過ごしている店名や看板にもそれぞれ篆書や草書、工夫された字が施されていることを発見!町を歩くのが楽しくなったと云う大岡アナ。
そしてもうひとつの見る楽しみはなんと言っても名跡(昔の書の名品)を鑑賞すること・・・二人は一路新潟県出雲崎町へ。
そこには芙蓉先生が敬愛してやまない良寛の書があります。
江戸時代後期の僧侶であり歌人、漢詩人、書家である良寛。
その無欲な生き方とこの上なく優しい人柄から生まれる素朴な文字は、夏目漱石はじめ多くの人々を魅了して来ました。
良寛美術館で遺墨を鑑賞・・・芙蓉先生が、その書の意味、背景、味わい方をわかりやすく教えてくれます。

京都・嵐山の町で様々な書体を
見つける

良寛記念館で遺墨を鑑賞

良寛と夕日の丘公園で凧に臨書
第8回 12月4日放送 年賀状を書こう

『賀正』の草書と、かわいいウサギの絵を練習します。
今年こそ筆字で年賀状を!基本の字の書き方、そして芙蓉先生が考えた挿絵やデザインのアイデアが満載です。
筆字で1枚づつ書くなんて大変、と思ったら大間違い。
『賀正』の二文字を書いて簡単な絵を添えるだけで、心伝わるもらってうれしい年賀状が出来るんです。
最初に『賀正』の字を楷書で練習。
そして実際使うことが多い草書のコツも教わります。
芙蓉先生が考えてくれた来年の干支、卯年のウサギは、今までに習った行書の線で書ける簡単でカワイイもの。
大岡アナも早速ウサギを書き添えて、年賀状の出来上がり。
また、参考に他の十二支の年賀状案もたっぷり見せて頂きます。
他にも寿や祝といったおめでたい字を絵のようにデザインした年賀状など、初心者でも上手に楽しく書ける工夫をこらしたものが続々登場します。
お楽しみに!

大岡アナ、太めの笑うウサギの年賀状完成。

芙蓉先生のアイディア年賀状。

切り抜いた紙をあて、絵の具をスプレーするだけでこんな年賀状も。
第7回 11月27日放送 前衛書の楽しみ

芙蓉先生の参考作品。「春の海」草書の海の字を波とヨットに見立て希望の船出を表している。
今回は、とかく難解と思われがちな前衛書を身近に楽しむ方法を教わります。
芙蓉先生曰く、「前衛書とはひとことで言うと線の芸術、頭を柔軟にして自分の思い、考えを書に表現していくもの」・・・と。
とにかく見て書いて前衛書を楽しもうという今回の嵐山書庵。
実際“光”という字をテーマに大岡アナも作品を仕上げて行くことになりました。
でもどんなものを書くにも基本が大切ということで、今回も楷書から猛練習。
そして行書、草書・・・。
その上で芙蓉先生はその場で感じたすべてを包み込む大きな光のイメージを実際に書いてみせてくれました。
また、芙蓉先生が手がけた前衛書の作品の数々も鑑賞。
最後に指頭画(しとうが)という指で書く手法で、ジーンズに“光”1文字を描きます。

光の楷書。大岡アナ、レッスン前とレッスン後。

芙蓉先生が書いた「光」。すべてを包み込む大きな光を表現している。

ジーンズに、指で「光」と書く大岡アナ。
第6回 11月20日放送 身の回りを書で飾ろう(応用編)

芙蓉先生の“楽”の参考作品
『身の回りを書で飾ろう』応用編の今回は、“楽”の字を書きます。
たのしい、という気持ちを両手を上げて表しているような“楽”の字形。
レッスンは、“楽”の字の成り立ちや書体の変遷、楷書で“楽”の基本の書き方を練習します。そして芙蓉先生の“楽”の字の作品を鑑賞し、たのしいイメージの字を自由にデザインしてみます。
まずはTシャツに挑戦。半紙をTシャツに替え、墨を布用絵の具に替えただけで作れるカラフルなTシャツ、ちょっしたコツさえつかめばご家庭でも簡単に出来ます。次にガラス用絵の具を使ってグラスに書いてみます。
飲むほどに踊りだしたくなるような楽しい気分にしてくれる“楽”の字グラス・・・大岡アナもアイデアを絞って、ユニークな“楽”の字を書きます。
また「書道事始」では硯(すずり)の選び方をご紹介します。

“楽”を楷書でレッスン

楽しい“楽”の字Tシャツ完成!

グラスにも書けるんです
第5回 11月13日放送 身の回りを書で飾ろう(初級編)

芙蓉先生の“和”の参考作品
書を紙に書くだけでなく、身の回りのいろいろなものに書いて楽しんでみましょう、という芙蓉先生。今回は布に字を書きます。
まずは字のレッスン。今週の一字は“和”。この字には様々な意味があります。
“和をもって尊しとなす”この聖徳太子の言葉をこよなく愛する芙蓉先生、自身の作品でも“和”の文字を多く発表しています。
平和の“和”、家族や人々が仲良くする“和”、和心の“和”、なごやかでのどかな“和”、調和の“和”・・・レッスンは、楷書で“和”の基本の書き方を練習したあと、イメージを自由に文字にして布に描いていきます。
墨を布用絵の具に替えて、ランチョンマット、ブックカバー、エコバッグそれぞれに大岡アナもアイデアいっぱいの “和”の文字を描きます。身の回りを書で飾ろう、初級編お楽しみに。

“和”を楷書でレッスン

エコバッグに描く

ランチョンマットに書かれた芙蓉先生の“和”
第4回 11月6日放送 手紙を書こう

芙蓉先生の参考作品・のし紙。行書と同じ線で書けます。
今回は行書で手紙(お祝い状)を書いてみましょう、ということで『祝』の字をテーマにお稽古開始、まずは楷書と行書の違いを学びます。
そして行書のなめらかな筆遣いを会得する為の芙蓉先生流練習法、その1は、魚を書くこと。一本の線の引き方で、メダカだったりアユだったりサンマになったり。とてもユニークで役立つ練習法です。
行書の筆遣いの練習その2は、半紙でオリジナルの熨斗紙をつくること。色とりどりの顔彩を使い、筆で線を引いたり小花を散らしたり松の葉を描いたり・・・大岡アナも思わず夢中になっちゃう面白さ。芙蓉先生の描いた参考作品の数々には様々なアイデアが詰まっています。
「書道事始」では、墨の選び方、そして墨が出来る迄の伝統の製造工程をご紹介します。

行書の線の練習は様々な魚を書くつもりでやると楽しく出来ます

楷書と行書の違いを教わります

行書の筆の運び方、線の練習をした後の成果
第3回 10月30日放送 葉書を書こう

芙蓉先生の葉書の参考作品
今回は葉書にお礼状を書いてみます。
メールじゃなくて書くことで伝わることがある、そして相手を想い、心を込めて書く時間はとても大切な時間、という芙蓉先生。
レッスンは『ありがとう』の5文字の書き方からスタート。
漢字と違って平仮名はその人の個性を生かし、それをよりいい字にしていきましょう、というレッスン方法。
また葉書に筆で絵を書き添えたり “墨流し”という手法で意外性いっぱいの不思議な模様の葉書を作ったり・・・筆と墨に親しみながら素敵な葉書を作っていく30分。芙蓉先生のアイデアいっぱい、ユニークな参考作品の葉書もたっぷりご紹介します。

顔彩で絵を書き添えるだけで、ありがとうの5文字が生きて来ます

墨流しに挑戦する大岡アナ

『書道事始』では筆の選び方をご紹介します
第2回 10月23日放送 名前を書こう

芙蓉先生の作品「千字文」屏風。楷書、行書、草書の3体で書かれている。
名前を楷書で書いてみよう、というテーマでお送りする第2回。
いきなり芳名帳に名前をどうぞ・・・と云われ「これ、苦手なんだなぁ〜」と苦笑する大岡アナ。
楷書とは何か教わった上で、『大岡優一郎』の文字それぞれに出てくる筆遣いの基本を教わります。こういう練習をしていると癖字が直るという、他の文字にも応用出来る基本の筆遣いです。
中でも『一』は、「書は一に始まり一に終わる」と云われる程大切な字。一本の横棒に呼吸や筆の勢い、実にいろいろな要素が含まれています。
練習の後は実践編、のし袋に名前を書いてみます。
日本人としての礼儀、礼節を大事にして欲しい、と常々願う芙蓉先生。のし袋の意味、書き方は?といった知ってるようで知らない常識を教えてもらいます。のし袋に書く御贐、束脩・・・なんてわかりますか?

名前の一字一字、ポイントを教わる

知ってるようで知らないのし袋の作法

正座も修行のうち!?
第1回 10月16日放送 書の心得

先生の参考作品「水」
書の心得をテーマにお送りする第1回、今週の課題の文字は『水』。
『水』という文字を題材に、篆書や隷書、楷書、行書と云った文字の変遷、そして筆の持ち方、姿勢など基本の基本を教えてもらいます。
実際桂川に流れる水を見に行って様々な表情を持つ『水』をどう表現するか・・・芙蓉先生の自由に描かれた『水』の作品に『書』の世界の奥深さを垣間見ます。
筆を持つのは小学校以来という大岡アナ、正座に苦戦しつつも、筆で書く事の楽しさを再認識。楷書で『水』を書き込みます。
また、書は半紙だけに書くのではなく暮らしの中で楽しみましょう、という芙蓉先生。嵐山の染工房・祐斎亭で染料を使いステキな帯を描きます。

大岡アナの練習の成果

桂川の水を見ながら芙蓉先生の書のテーマでもある「水」について語る二人

祐斎亭で芙蓉先生がエプロンに「水」と書いてくれた。このエプロンが大岡アナの今後のユニフォームに。