
淑妃文繍(ぶんしゅう)の離婚調停申請は前代未聞の大事件として世間の知るところとなった。退位したとはいえ一国の皇帝が妃から離婚調停を受けるというこのありうべからざる事態に、溥儀(ふぎ)が面目を失ったことは言うまでもなく、朝廷の遺臣たちは口々に文繍への厳罰を求めた。だが、今や治めるべき国も持たず異国の力に頼りきるこの皇帝・溥儀のどこにそんな権力が存在するであろう。日本軍は中国侵略の第一幕として、柳条湖事件を起こし瀋陽を占拠する。また彼らは鄭考胥(ていこうしょ)を篭絡し、溥儀が日本軍に対する全面協力に合意するよう説得させた。溥儀(ふぎ)の教育係を中心にこの協力に反対の意を示し、彼に拒否を勧めるが、決断を躊躇した溥儀は占いに未来を託す。