
家族から引き離された無邪気な溥儀(ふぎ)は乳母の胸に抱か
れ、何もわからぬまま封建制度の最後の砦・神秘と退廃の渦
巻く紫禁城に足を踏み入れた。
西太后は光緒帝が病で逝去すると、すぐに溥儀の新帝即位を
宣言して年号を「宣統(せんとう)」と改めるが、その翌日、即位
の大典を待たずして西太后までもがこの世を去ってしまう。灯
りが消えたような暗さと心もとなさが漂う中で溥儀の即位の大
典は盛大に挙行されるが、驚きのあまりその場で失禁した溥
儀を抑えようとするあまり、父は栄えあるこの式典で不注意に
も忌み言葉を発してしまった。