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9月14日 #46 貿易の自由化

講義余禄

世界中で2国間の貿易自由化交渉が加速しています。サプライチェーンのグローバル化が進み、国内産業を保護する政策だけでは、世界市場から取り残されかねなくなりました。TPP(環太平洋経済連携協定)など調整が難しい多国間交渉の前に、有利なポジションを作っておく狙いもあるのでしょう。各国が貿易自由化を進めた結果、相対的に日本の関税が高まり、貿易で不利になっているとの指摘もあります。日本の中長期の競争力に直結するテーマだけに、日本経済新聞でも折に触れて取り上げられています。
★「日本企業の国際競争力 上 世界のFTA拡大、逆風に」(2014年6月30日)
★「試練 メガFTA 上下」(2014年8月10、12日)
もちろん、日本もこうした流れを静観しているわけにはいきません。安倍晋三首相は最近、新興国を中心に世界各国を飛び回り、貿易自由化に向けた動きを加速させています。講義で詳しく取り上げたオーストラリアとのEPA(経済連携協定)を早期にまとめ上げたのも、世界の流れに乗り遅れてはならないという危機感の表れでしょう。
★「日モンゴル首脳会談、EPA大筋合意」(2014年7月13日)
★「日メキシコEPA拡大」(2014年7月26日)
★「日コロンビア首脳、EPA合意へ交渉を加速」(2014年7月30日)
 最初は2国間での自由化かもしれませんが、この積み重ねが大事なのでしょう。とくに相手が新興国となれば、将来の市場に先鞭をつけることにもつながります。ただ、案件が増えれば管理も複雑化し効率的ではありません。交渉をまとめるのは難しくても、いずれは多国間で何らかの協定を結ぶことになるのだと思います。その時に主導権を取れる位置を確保するためにも、率先して自由化を進め世界の先頭を走ることが重要なのでしょう。


参考図書

タイトル 著者 出版社
WTO 中川淳司著 岩波新書
TPP亡国論 中野剛志著 集英社新書