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8月24日 #43 お金の成り立ち

講義余禄

先進各国の相次ぐ金融緩和で、世界中にお金があふれています。カネ余りは株や不動産などの買い安心感につながり、高リスクの取引への抵抗感を薄れさせているとの指摘もあります。この傾向が行き過ぎれば、いずれ大きな反動が起きるかもしれません。米国の金融緩和縮小がその引き金となるのでしょうか。日本経済新聞でも折に触れて関連の記事が掲載されています。
★「消えた市場の恐怖心」(2014年6月13日)
そもそも、今回の講義で指摘したように、お金の価値とは何なのでしょう。1万円札で1万円のモノが変えるのはなぜなのか。紙幣や貨幣自体の価値はたいしたものではありません。お金を発行している国家とその中央銀行への信用だけが頼りです。信用が失墜した瞬間に、お金の価値は素材の紙や金属と同じになりかねません。今のカネ余りの状況が市場に与える影響を考えるうえでも、お金のそもそもの成り立ちについて考えておくことは大切だと思います。 急ピッチで普及が進む電子マネーも、土台になっているのは発行している企業への信用です。最近ではインターネット上の仮想通貨「ビットコイン」が話題になり、その可能性やリスクについて議論が盛り上がりました。国家レベルの信用に比べ、いつ崩れるかわからない危うさをはらんでいるだけに、貨幣について考える際には、こうした新参者の動向にも注意を払いたいものです。
★「ビットコイン、何を映す?」(2014年2月24日)
★「電子マネーはお金と同じ? 発行企業の『信用』価値生む」(2014年6月3日)

参考図書

タイトル 著者 出版社
貨幣という謎 西部忠著 NHK出版新書
貨幣進化論 岩村充著 新潮社