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7月20日 #38 為替の仕組み[明治学院大学]

講義余禄

今回の講義はいつものスタジオを飛び出し、番組レギュラー講師の佐々木先生が教鞭をとっている明治学院大学におじゃましました。テーマは為替です。為替の仕組みは複雑で、理解するのは簡単ではありません。ただ経済を動かす重要な要素であるのは間違いなく、日本経済新聞でも折に触れて関連の記事が掲載されています。
日本では長年続いた円高が、安倍政権誕生とともに急速に円安方向に振れました。その結果、自動車メーカーなどの輸出企業を中心に業績が大幅に改善し、株価も急上昇しました。とくに2014年3月期は期中に円安ドル高が急ピッチで進み、業績の上方修正が目立ちました。15年3月期も最高益を更新する企業が相次ぎそうです。
★「わかる財務2 円安効果って何?」(2014年4月3日)
★「日本企業 最高益への挑戦 上、下」(2014年5月25、26日)
 ただ、円安の影響はいいことばかりではありません。かつては円高で相殺されていた資源価格の上昇が、最近は円安とのダブルパンチでガソリンなどの価格を押し上げています。マクロに目を転じると、理論上はやがて改善するはずの貿易収支が悪化したままという現象が起きています。生産拠点の海外移転、輸出品の価格硬直性などいくつか理由があるようですが、やはり主要国の金融緩和でふくらんだマネーの影響で、従来の常識が通じなくなっているともいえるでしょう。
★「円安による経済への影響 貿易収支改善に直結せず」(2013年11月29日)
理論で説明できないようなエネルギーがどこかにたまっているのだとすれば、やがてリーマン・ショックのようなことが起きるかもしれません。世界の経済が歴史の転換点に立っているともいえ、今後の推移を注意深く見守る必要があるでしょう。変化の波頭をとらえるためにも、為替のメカニズムについては基本的な理解を深めておきたいものです。

参考図書

タイトル 著者 出版社
本当にわかる為替相場 尾河眞樹著 日本実業出版社
通貨で読み解く世界経済 小林正宏、中林伸一著 中公新書