6月22日 #34 年金の未来
厚生労働省が6月3日、公的年金の長期的な財政の見通しをまとめました。経済成長などの前提によって異例の8つものケースを示しましたが、そこから浮かび上がるのは日本の年金財政の厳しさです。老後の安心を守るため、どのような改革が必要なのでしょうか。時間はあまりかけられません。全国民に影響する重要なテーマだけに、日本経済新聞でも折に触れて大きく報じられています。
★「年金『現役収入の半分』以下」(2014年6月4日)
★「年金の安定へ即座に改革着手を」(2014年6月8日)
年金制度を時代にあった形にしていくのはもちろん重要です。ただ、それと並行して日本経済全体の底上げや働き方の見直しも欠かせません。女性や高齢者の就労促進と、将来の労働人口を左右する少子化対策がその柱になるのでしょう。女性が働きながら子供を増やすというのは矛盾した考えのようですが、これにはそれぞれの企業や働き手が、働くということをどう考えるかにもよります。日本の人口が減り続けるのは避けられないなら、制度だけでなく生活スタイルや人生についての考え方もそれに合わせていくべきです。
★「人口1億人維持、有識者委が提言」(2014年5月14日)
★「忍び寄る2020年問題」(2014年5月22日)
一方、6月中に政府がまとめる成長戦略では、年金の資金運用の改革もテーマになっています。こちらも超保守的な運用から考え方の転換が必要だというのです。資産の額が大きいだけに、市場に資金が流入すれば株価にも相当のインパクトがあるでしょう。これには反対する声もあるようですが、いずれにしても、デフレ時代になかなか変えられなかった日本の年金が大きな転機を迎えているのは間違いありません。講義で指摘したように改革の動きはこれから加速する可能性もあり、議論の推移を見守っていきたいと思います。
★「株比率上げ、前倒し指示」(2014年6月6日)
★「迫真、動く巨象GPIF1~」(2014年6月16日~)
| タイトル | 著者 | 出版社 |
|---|---|---|
| 年金改革の基礎知識 | 石崎浩著 | 信山社 |
| 世界の年金改革 | 有森美木著 | 第一法規 |

