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6月15日 #33 農業改革

講義余禄

政府が農政改革に大きく舵を切ったのは、内向きのままの農業ではいずれ立ち行かなくなると考えたためでしょう。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉など、市場開放への圧力は高まる一方です。激しい国際競争にさらされても、それを乗り越えられるような農業にしていかなければなりません。日本の農業の実力とはどんなものなのか。強みはどこにあるのか。成長を阻害しているものがあるとすれば、それは取り除くべきでしょう。大きな節目を迎えつつある日本の農業については、日本経済新聞でも折に触れて大きく報じられています。
★「転機に立つ農業 上中下」(2013年12月14~16日)
★「強い農家、伸ばす柱に」(2014年5月18日)
★「兼業のため 脱却へ一歩」(2014年6月7日)
「日経プラス10」でも農業の競争力向上は大きなテーマです。競争力を高めるには、今ある強みを生かすことも重要です。今回の講義でも紹介しましたが、野菜を栽培する植物工場の技術など、日本が世界をリードする分野は少なくありません。食の市場は広大です。それを支える農業が変わっていくとしたら、様々なビジネスチャンスが生まれることでしょう。多くの企業が動き出し始めています。
トヨタ自動車は農家の生産活動をクラウドコンピューティングで管理するシステムを開発し、農家の作業や資材の無駄をなくす取り組みを始めました。銀行の農業分野への融資残高も5年ぶりの高水準になっています。政府だけでなく、民間を巻き込んだこうした動きが日本の農業の競争力向上の源です。日本が得意としてきたモノづくりなどのノウハウを取り込み、どんな新しい姿の農業が生まれてくるのか注視していきたいものです。
★「トヨタ流で農業カイゼン」(2014年4月5日)
★「元気な農業へ民間資金動く」(2014年6月1日)


参考図書

タイトル 著者 出版社
日本の農業を破壊したのは誰か 山下一仁著 講談社
日本の農業の真実 生源寺眞一著 ちくま新書