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6月8日 #32 ドイツ経済

講義余禄

ギリシャの債務問題で危機に陥っていた欧州経済が復調してきました。けん引役が堅調な経済成長を続けるドイツです。ただ、ドイツの一人勝ちの状況には、反発もあるようです。貿易黒字が過去最高になったことなどを受けて、域内諸国から内需拡大を求めるなどの声が強まっています。日本経済新聞でも折に触れて紹介されています。
★「独 一人勝ち 欧州で反発」(2013年11月15日)
もっともドイツの好調がなければ、欧州は危機から脱していなかったかもしれません。各国もドイツに対して批判の矛先をむけつつ、貿易黒字の解消を強く迫れない複雑な事情があります。ドイツが海外への輸出を増やすと、部品などを供給している周辺各国も潤うためです。民族性や経済規模などが大きく異なる国がひとつの経済圏を形成するというのは単純なことではありません。様々な矛盾や問題点を解消するため仕組みや制度を微調整していく必要があるのかもしれません。
★「欧州危機 出口は見えたか 上下」(2014年5月3、4日)
★「シリーズ検証 大欧州深化の60年 1~4」(2014年5月4~25日)
特に統一通貨ユーロの影響については、これから様々な検証が進むはずです。強いドイツの経常黒字が膨らんでいくのは、ある種の構造問題ともいえます。ドイツの経常黒字拡大はEU域内だけでなく、EU以外からも批判を浴びつつあります。欧州経済の将来を見通すためにも、この問題の成り行きには注意する必要があるかもしれません。


参考図書

タイトル 著者 出版社
ユーロ破綻 そしてドイツだけが残った 竹森俊平著 日経プレミアシリーズ
21世紀のドイツ 河崎健著 上智大学出版