5月4日 #27 日本銀行の金融政策
主要国の中央銀行の金融政策が曲がり角にさしかかっています。政策金利のコントロールで物価の安定を図る伝統的の手法をとりにくくなり、多くの国の中銀が金利などの先行き指針を示すフォワード・ガイダンスと呼ぶ手法を採用しています。ところが、最近はトップの講演や重要な会合があるたびに、結果に先行する形で指針の見直しの思惑が思惑を呼び、為替や株価が大きく動くようになってきました。節目のイベントがあるたびに、日本経済新聞でもマーケットの動きや観測などの記事が掲載されています。
★「羅針盤 マネー変調で曇る先導政策」(2014年2月9日)
★「米、政策指針見直し観測」(2014年3月19日)
とくにイエレン氏が新議長に就任した米連邦準備理事会(FRB)のように、トップが変わったり、当初掲げていた目標の達成が近づいたりすると、市場はちょっとしたことでも大きく動きます。何らかの新たな指針を出したとしても、それが素直に受け止められず、なぜ今なのか、裏にある意図はなにか、といった様々な憶測が広がります。疑心暗鬼な市場とどう向き合うか。世界中の中銀が新たな手法を模索し始めているようです。
★「市場との対話巡り試行錯誤」(2014年2月15日)
★「社説 対話力試されるFRB新議長」(2014年3月21日)
金利を直接操作できないのであれば、財政出動が金融政策の近道です。ただ、ほとんどの国の中銀は、財政を担う政府からは中立の立場です。責任と役割だけ負わされ続け、手段を失ってしまったという厳しい状況なのです。日米の大規模な金融緩和などで、世界中にマネーがあふれ、市場の反応はますます速く、激しくなっています。中銀が独自の政策で自国通貨をコントロールするという現在の仕組みがいつまで続くのか。新興国の台頭など、世界経済のプレーヤーの多様化が進む中、どんな秩序が生まれてくるのか。しばらく目が離せない状況が続きそうです。
★「迫真 中央銀行の憂鬱1~5」(2014年2月25日~3月1日)
| タイトル | 著者 | 出版社 |
|---|---|---|
| イエレンFRBの世界同時緩和の次を読む | 藤井彰夫 | 日本経済新聞出版社 |
| マネーの支配者 | ニール・アーウィン著 関美和訳 | 早川書房 |

