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3月22日 #21 TPP

講義余禄

昨年末までの妥結を目指していた環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉が難航しています。結局、今年2月末の各国閣僚会合も大筋での合意ができないまま閉幕しました。背景には、自由化を主導するはずの日米両国が激しく対立していることがあります。車や農産物などそれぞれが「聖域」とする分野の扱いを巡り、出口の見えない状況のようです。日本経済新聞の紙面でも折に触れて関連の記事が掲載されています。
★「要の日米 対立解けず」 (2014年2月26日)
★「自由貿易の原点に戻りTPPを立て直せ」(同年2月26日)
★「日米TPP協議 米国内、強硬論一段と」 (同年3月14日)
こうしたなか、日本は米国だけでなく他国との交渉を進めつつあります。たとえば対オーストラリアでは、2国間の経済連携協定交渉が加速してきました。日本としては、日豪の協定など個別の案件をまとめ、強硬姿勢の米国に譲歩を促す狙いもあるとみられます。
★「関税交渉 米優先を転換」 (同年3月4日
) ★「日豪EPA 牛肉関税、30%の攻防」(同年3月16日)
もっとも、そもそも交渉が難航しているのは、米国のスタンスによるものだとの指摘もあります。とくに民主党の指導部が関税撤廃などに否定的な保護主義への傾斜を強めているとの観測も気がかりです。肝心の主導役の米国が本気度を示さなければ、交渉はこう着したままかもしれません。ただ実際にどんな議論がされているのか、外からはわかりません。TPPはこれからの世界経済の成長をけん引する東アジアでの貿易・投資のルールをどうするかを決める重要な協定です。内容次第で、日本経済にも大きな影響を及ぼします。4月に予定されるオバマ米大統領のアジア歴訪に向け、水面下での交渉が再び活発化する可能性もあり、今後の推移を注意深く見守ることが必要でしょう。
★「米『TPPで成長』へ背水、大統領、一般教書演説」(同年1月30日)
★「TPP交渉と米政権」 (同年2月16日)
★「TPPは通商ルールづくりで大枠合意を」(同年2月22日)




参考図書

タイトル 著者 出版社
TPPでさらに強くなる日本 原田泰、東京財団 PHP研究所
世界を不幸にしたグローバリズムの正体 ジョセフ・E・スティグリッツ
鈴木主悦訳
徳間書店